資産形成

40代・3人の子を持つパパ投資家が考える「暴落時に平常心を保つ5つのマインドセット」

株価が大きく下落したとき、こんな不安に駆られていませんか?

「このまま資産がなくなってしまうのでは...」

「子供の教育費が準備できなくなったらどうしよう...」

「家族に申し訳ない気持ちでいっぱいになる...」

投資を始めたのは家族の未来のためだったのに、株価の値動きに一喜一憂し、大切な家族との時間も上の空になってしまう。

そんな経験はありませんか?

この記事では、株価暴落時でも冷静さを保ち続けるための具体的な方法をご紹介していきます。

本記事の内容

  • 投資の失敗の90%が感情的判断である理由と対策
  • 暴落を「損失」ではなく「未来への種まき」と捉える思考転換法
  • 家族を持つ投資家が陥りがちな「価値観の混同」を避ける方法
  • 最悪のシナリオを数値化して不安を解消するテクニック
  • 日常でできる「心の筋トレ」3つの実践方法

これらの方法は、実際に2020年のコロナショックや2022年の相場下落を乗り越えた、3児の父である筆者の実体験に基づいています。

感情に振り回されて失敗を重ねた末に辿り着いた、家族を持つ投資家のためのメンタル強化法です。

記事を読み終わった頃には、株価が下がっても「これは安く買えるチャンス」と前向きに捉えられるようになり、スマホの株価アプリばかりを気にすることもなく、家族との大切な時間を心から楽しめるようになるでしょう。

そして何より、長期的な視点で資産形成に取り組み、本当の意味で「家族を守る投資」ができるようになります。

投資は知識だけでなく「心の準備」が成功の鍵を握ります。

次の暴落が来る前に、ぜひこの記事で紹介する5つのマインドセットを身につけ、揺るがない投資家としての土台を築いていきましょう。

投資初心者のための「暴落に負けない心の準備」

株価が大きく下がったとき(暴落時)に、あなたの資産と家族、そして心を守るために最も大切なことは何でしょうか?

それは、「どの株を買えば儲かるか」や「いつ売り買いすればいいか」といったテクニックではありません。

嵐に負けない強い船のごとく「投資家としての心の準備」を整えることです。

投資の失敗の90%以上は、知識不足ではなく「感情的な判断ミス」が原因だからです。

よくある失敗パターンを思い出してみてください。

よくある失敗

  • 欲張りすぎて失敗:「もっと株価が上がるはず!」と思って、すでに高くなった株を買ってしまった。
  • 怖くなって失敗:「このまま下がり続けたら全部なくなる!」と慌てて、株価が一番安いときに売ってしまった。
  • 焦って失敗:「周りはみんな儲けているのに...」と焦って、自分で決めたルールを破ってしまった。

これらすべての失敗の原因は、あなたの「感情」です。

もしあなたが独身なら、投資で失敗しても自分だけの問題です。

けれど、家族がいる場合は違います。

妻の顔や子供たちの笑顔が頭に浮かんで、多くの方はこんなことを考えてしまうのではないでしょうか?

家族がいる場合に考えてしまうこと

  • 「このお金は子供の教育費になるはずだったのに...」
  • 「妻も頑張って働いているのに、自分は何をやっているんだ...」

普段は、家族のために頑張る気持ちが良いモチベーションになります。

しかし、株価が大きく下がったときには、この気持ちが「プレッシャー」に変わって、冷静な判断を邪魔してしまうのです。

家族を持つ投資家だからこそ、誰よりも「心の強さ」を身につける必要があります。

暴落という嵐が来る前に、自分という船をしっかりメンテナンスして、どんな大波が来ても沈まないための「心の錨(いかり)」を準備しておく。

その「錨(いかり)」があることで、相場の波に揺られても、自分の軸を見失わずにいられるのです。


では、具体的にどんな「心の錨」を準備すればいいのでしょうか?

次の章では、多くの失敗を重ねた末に見つけた「5つのマインドセット」を、実際の成功や失敗の体験も含めて詳しくお話ししていきます。

この章のまとめ

  1. 投資の成功は知識よりも「心の強さ」で決まる
  2. 失敗の90%は感情的な判断が原因
  3. 家族がいる人は特にプレッシャーに注意
  4. 暴落前に「心の準備」をしておくことが大切

投資初心者のための「暴落に負けない5つのマインドセット」

この章では、私が株価の暴落に直面したときでも慌てずにいられるように、いつも心の中で繰り返している5つの考え方をご紹介していきます。

これは単なる精神論ではなく、実際に投資の行動に影響を与える「マインドセット」です。

この考え方を身につけることで、相場の上下に一喜一憂せず、長期的な視点で資産を育てていくことができるようになります。

ぜひ、ここで紹介する5つのマインドセットを身につけ、どんな相場の波が来てもブレずに、自分のペースで資産を育てていける投資家を目指していきましょう。

マインドセット01|マイナスを損失ではなく、未来への種まきと考える

暴落すると、証券口座に赤いマイナスの数字が並びます。

多くの人は、それを「損失」や「やられた」と感じます。

私も昔はそうでした。

しかし、今は違います。

私はそれを「未来の資産を安く買えるチャンス」、あるいは「将来の収穫のための種まき」と呼ぶようにしています。

そして、暴落時は次のように考えています。

暴落が起きたときに考えること

  • 含み損は「まだ確定していない」ので、売らなければ実際の損失ではない
  • 長期投資では「時間が味方」になるため、歴史的に見ても暴落後は必ず回復する

ゲームでスコアが下がっても、ゲームオーバーになるまでは負けではありませんよね?

投資も同じです。

毎月同じ金額で投資する方法(積立投資)なら、株価が下がったときほど多くの株を買えます。

例えば、毎月1万円で積立投資する場合を考えてみましょう。

毎月1万円で積立投資する場合

  • 株価が高いとき:少ない株数しか買えない
  • 株価が安いとき:たくさんの株数が買える

これは、将来株価が回復したときに大きな利益となります。

2020年のコロナショックのとき、株価は一時的に大きく下落しました。

多くの投資家が不安になって売却する中、私は「これは種まきのチャンスだ」と信じ、積立額を減らさずにそのまま続けました。

結果、株価はその後急速に回復し、資産は以前より大きく成長しました。

「下がっているときこそ、同じ金額でより多く買える」というドルコスト平均法の力を、実体験として理解できた瞬間でした。

言葉を変えるだけで、行動も変わります。

言葉を変えよう

  • 「含み損が増えた」→ 「平均取得単価を下げるチャンス」
  • 「資産が減った」→ 「未来のために安く仕込めている」

暴落は、「資産を失う時」ではなく、「未来のために種をまく時期」なのです。

マインドセット02|視点を未来の家族に変える

株価が大きく下がっているとき、私たちはどうしても目の前のことばかり考えてしまいます。

今日いくら下がったか...、今週いくら減ったか...。

時間の感覚が「今この瞬間」に縛られて、短期的な株価の動きに心が振り回されてしまいます。

そんなとき、私が実践しているのが、意識的に視点を遠い未来に向ける練習です。

そもそも、あなたが投資を始めた理由は何だったでしょうか?

明日のお昼代を増やすためですか?

来月の遊ぶお金を稼ぐためですか?

きっと違うはずです。

私の場合、投資の目標はハッキリしています。

私の投資目標

  1. 子ども3人が18歳になるまでに、安心して大学へ行かせてあげるための教育費を準備すること。
  2. 私が65歳になる25年後、子供たちに負担をかけずに暮らせるだけの老後のお金を準備すること。

これは、1年や2年で達成できる短期的な目標ではありません。

10年、20年、30年という、とても長い期間をかけて実現する目標です。

株価の下落で心がざわついたとき、私はスマホの電卓を使います。

「長男が大学に入るのは、2037年か...。あと12年あるな」

「次男が大学に入るのは、2039年。14年後だ...」

「一番下の子は、2041年に大学に入るよね...。あと16年だ」

そして、こう自分に問いかけるのです。

「12年後、14年後、16年後の目標を目指している私が、今日の、今週の、ほんの数パーセントの株価変動に心を乱されて、一体何の意味があるんだ?」

そう考えると、不思議と心がスッと楽になるのです。

今日の株価下落は、10年以上という長い期間から見れば、ほんの小さな波に過ぎない。

むしろ、この小さな波のおかげで、未来の目標に必要な資産を安く買えている。

そう思えるようになります。

あなたのスマホの待ち受け画面は、何になっていますか?

もし、きれいな風景や好きなキャラクターなら、今すぐ「あなたの妻や子供たちの笑顔の写真」に変えることを強くおすすめします。

株価下落で不安になったときは、その写真を見てください。

妻や可愛い我が子の顔を見て、あなたが守りたい未来を、投資を始めた本当の理由を、もう一度思い出してください。

目先の株価グラフではなく、子供たちの笑顔こそが、あなたを導く、最も信頼できる道しるべなのです。

時間の感覚を未来へ。

視点をグラフから家族へ。

これだけで、株価下落という嵐は、小さな波のように感じられるはずです。

マインドセット03|変えられることに集中する

人間がストレスを感じる最大の原因の一つは、「自分ではどうにもできないことを、何とかしようとすること」だと言われています。

投資でまさに当てはまるのが「市場の動き」です。

どうにもできない「市場の動き」

  • 明日の株価が上がるか下がるか
  • 暴落の底はいつか
  • 次にどんな金融危機が来るのか

これらは、どんなプロの投資家でも正確に当てることはできません。

天気予報のように「確率」でしか言えないので、完璧に予測するのは不可能です。

投資を始めたばかりの頃の私は、この「市場をコントロールしようとする罠」に完全にはまっていました。

毎朝、目が覚めるとすぐに株価アプリを開き、「今日は上がる?下がる?」「昨日はNYダウが下げたから今日は危ないかも…」と一喜一憂。

さらに、SNSやニュースでアナリストの予測を追いかけては、振り回され続けました。

「この人が言うなら下がるに違いない...」「いや、別の人は上がるって言ってるし...」

頭の中は常に株価のことでいっぱいで、肝心の家族との時間まで上の空になっていました。

でも、その結果どうなったか?

心は疲れ果てたのに、資産は1円も増えていなかったのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

答えは、スティーブン・R・コヴィー氏の名著『7つの習慣』に出てくる「影響の輪」という考え方の中にあります。

私たちの気になることには、天候や経済、他人の気持ちといった「変えられないこと」と、自分の行動や習慣、考え方といった「変えられること(影響の輪)」の2種類があります。

私たちの気になること

  • 変えられないこと(関心の輪):天気、経済、株価、他人の感情
  • 変えられること(影響の輪):自分の行動、習慣、考え方

大切なのは、後者 =「影響の輪」にエネルギーを集中させることです。

この考え方を投資に当てはめると、以下のようになります。

変えられないこと(関心の輪)

  • 日々の株価の上下
  • 世界の景気の流れ
  • 専門家の予測

変えられること(影響の輪)

  • 毎月決めた額を淡々と積み立てる
  • 家計を見直して投資資金を確保する
  • 自分の投資ルールを守る
  • 株価アプリやニュースを見すぎない工夫をする
  • 自分のリスク許容度を理解し、安心して眠れる範囲で投資する

暴落で不安になったら、自分に問いかけてみてください。

「今やろうとしていることは、影響の輪の中にあるか?」

影響の輪の中にあるか?

  • 株価を眺めるのは「違う」
  • 積立設定を確認するのは「正しい」
  • アナリストの予測を読み漁るのは「違う」
  • 投資目的をノートに書き出すのは「正しい」

変えられないことは、潔く諦める。

そして、自分に変えられることだけに、100%のエネルギーを注ぐ。

この使い分けができたとき、あなたは市場の雑音から解放され、投資家として、一人の人間として、本当に大切なことに集中できるようになるでしょう。

マインドセット04|最悪のシナリオを直視し、あいまいな不安をなくす

「株価下落が怖い」―― この感情の正体は、一体何でしょうか?

多くの場合、それは「よく分からないもの」に対する、ぼんやりした不安です。

お化け屋敷が怖いのは、次に何が飛び出してくるか分からないからですよね?

逆に、正体が分かっていれば、怖さは半減するどころか、むしろそれを楽しむことさえできてしまいます。

投資における恐怖も同じです。

「もし、もっと株価が下がったらどうしよう...」「もし、資産が半分になったら、生活ができなくなるんじゃないか...」

この「もし...」というぼんやりした不安が、あなたの心を苦しめていきます。

不安の正体を「見えない恐怖」のままにしておくと、実際のリスク以上に大きく感じてしまうものです。

では、どうすればその漠然とした不安を小さくできるのでしょうか?

効果的なのは、あえて「最悪のケース」を具体的な数字でシミュレーションし、状況をはっきり見える化するという少し思い切った方法です。

ぜひ今から、紙とペンを用意して、私と一緒にやってみてください。

恐怖をハッキリさせる練習

  1. あなたの現在の投資総額はいくらですか? (例:500万円)
  2. 歴史的な大きな株価下落(リーマンショック級)が起きて、資産が半分(-50%)になったと仮定します。その時の資産価値はいくらになりますか? (例:500万円 × 50% = 250万円)
  3. その時、あなたの生活は、具体的にどうなりますか?
    • 明日からの食事に困りますか?
    • 家のローンが払えなくなりますか?
    • 子供を進学させられなくなりますか?
  4. あなたが用意している「生活防衛資金(いざという時のための現金の貯金)」はいくらですか?それは、収入がなくても何か月生活できる金額ですか? (例:300万円。生活費の12ヶ月分)

さあ、どうでしょうか?

多くの人は、ステップ3で「あれ?」と思うはずです。

「確かに250万円の損失は痛いけど、明日からの生活がすぐにダメになるわけじゃないな...」

「生活防衛資金があるから、最悪、1年は収入がなくても暮らしていけそうだ...」

「長期で使う予定の教育費や老後のお金だから、今すぐ現金に変える必要はないな...」

このように、ぼんやりしていた恐怖を、具体的な数字で計算してハッキリさせることで、「なんだ、意外と大丈夫じゃないか」という事実に気づくことができます。

これが、非常に大きな心の安定効果をもたらすのです。

2022年の相場下落のとき、私の資産は大きくマイナスになりました。

証券口座を開くたびに真っ赤な数字が並び、「このままお金がなくなってしまうんじゃないか…」と夜も眠れないほど不安になったことを今でもよく覚えています。

そこで実際に、紙に書き出して「最悪のシナリオ」を計算してみました。

当時の投資額は約1,500万円。

「もし半分になったら…750万円か」と数字を出してみたのです。

正直、その金額を見た瞬間はショックでした。

しかし同時に、「生活費1年分の現金を、別にしっかり用意してある」と確認できたことで、気持ちが一気に落ち着きました。

「資産額は減っても、明日から生活が立ち行かなくなるわけじゃないな」

そう納得できたことで、今焦って売る必要はないと確信できたのです。

この練習を通じて、多くの人が「生活防衛資金」の非常に大きな重要性を再認識するはずです。

投資に使うお金とは別に、生活費の半年〜2年分程度の現金をいつでも引き出せる銀行口座に確保しておくこと。

これは、株価下落時の心の安定を保つための、いわば「命綱」です。

この現金があるからこそ、「投資しているお金は、今すぐ使うお金じゃない」と心に余裕が生まれ、株価下落時にも慌てて売る必要がなくなるのです。

もし、あなたがまだ十分な生活防衛資金を確保できていないなら、毎月の投資額を少し減らしてでも、まずはそちらを優先してください。

急がば回れ。

それが、結果的にあなたの投資人生を長く、豊かなものにしてくれます。

最悪を知れば、それより悪いことは起きない。

ぼんやりした不安と戦うのをやめ、最悪の場合をハッキリさせて備える。

その覚悟が、あなたに本当の心の平穏をもたらしてくれるでしょう。

マインドセット05|投資の成績と「親としての価値」を絶対に結びつけない

これは、5つのマインドセットの中で、私が最も大切にしている心の支えです。

家族を持つ投資家が陥りやすい、最も危険な落とし穴。

それは、「投資の成績」と「親、配偶者としての自分の価値」を無意識のうちに同じものと考えてしまうことです。

危険な落とし穴

  • 資産が増えているとき → 「私は家族を守れる、できる親だ」
  • 資産が減っているとき → 「私は家族を危険に晒す、ダメな親だ」

このように感じてしまう気持ちは、痛いほど分かります。

責任感が強い人ほど、そう考えてしまうものです。

しかし、これは絶対に間違っています。

そして、非常に危険な考え方です。

2022年の相場下落のとき、資産が大きく減っていました。

毎日のようにスマホで株価をチェックし、「また下がった...」とため息をつく日々。

ある晩、子どもが楽しそうに話しかけてきたのに、私は上の空で聞き流してしまいました。

さらに、資産のマイナスにイライラしていたせいで、妻に対してもついきつい口調になってしまったのです。

その瞬間、ハッとしました。

「自分は何をやっているんだ?...家族に、不安と嫌な気持ちを与えてしまっているじゃないか」

投資は、自分と家族を幸せにするためにやっているのに、逆に家族を傷つけてしまいかねない…。

この経験は、今でも忘れられない大きな教訓になりました。

あなたの価値は、投資の資産価値で決まるものでは断じてありません。

親としての価値

  • 子供が熱を出した夜に、そばにいてあげること。
  • 仕事で疲れていても、子供のくだらない話に笑って相槌を打ってあげること。
  • 配偶者が大変なときに、「いつもありがとう」と感謝の言葉を伝えること。
  • 休日に、家族みんなで公園に行って遊ぶこと。

これらの一つひとつが、お金には決して換えられない、あなたの「親としての価値」であり、「配偶者としての価値」です。

「投資のことで頭がいっぱいになり、スマホの株価ばかり気にして、子供の話が上の空になったり...」

「資産のマイナスにイライラして、妻にきつく当たってしまったり...」

それこそ本末転倒です。

私たちは、お金を増やすために、家族を犠牲にしているのではありません。

家族との幸せな時間をもっと豊かにするために、お金を増やしているのです。

この目的と手段を、絶対に取り違えてはいけません。

だから、私からの提案です。

株価の大きな下落が来て、心が不安に飲み込まれそうになったら、意識的にスマホやパソコンから離れてください。

そして、あなたの目の前にいる子供と全力で遊んでください。

一緒に絵本を読む。

公園で鬼ごっこをする。

お風呂で歌をうたう。

子供たちの屈託のない笑顔と温かい体に触れていると、ちっぽけな投資の損失のことなど本当にどうでもよくなってきます。

「ああ、そうだ。私が守りたかったのは、この笑顔だったんだ」

そう再確認できたとき、あなたの心は、不安から解き放たれます。

家族との幸せな時間こそが、株価下落という嵐の中で、あなたの心を癒し、再び立ち上がる力をくれる、最高のメンタルケアとなるのです。

投資の成績で、あなたの価値は1ミリも揺らぎません。

あなたは、そのままでも最高の親であり、最高の配偶者なのです。

今日からできる!株価下落に強くなる「心の筋トレ」3選

さて、5つのマインドセットを学んだところで、最後は実践です。

知識は、使って初めて力になります。

ここでは、株価下落への強さを日頃から高めておくための具体的な「心の筋トレ」を3つご紹介していきます。

ぜひ、今日から一つでも試してみてください。

トレーニング1|自分だけの「投資のルールブック」を紙に書き出す

人間は、弱い生き物です。

特に、パニック状態に陥ったとき、その場の感情や雰囲気に流されて、普段ならしないような不合理な行動を取ってしまいます。

そうならないために必要なのが、「平時(冷静な時)の自分」が定めた、絶対に揺るがないルールブックです。

私はこれを「投資のルールブック」と呼んでいます。

用意するものは、お気に入りのノートとペンだけ。

スマホのメモ機能でも良いですが、自分の手で「書く」という行為が、より深く心に刻み込む効果があるのでおすすめです。

私の「投資のルールブック」

  • 第1条(目的):なぜ投資するのか?
    • 子ども3人の大学資金のため
    • 夫婦の安心した老後資金のため
  • 第2条(投資先):何に投資するのか?
    • 米国株式(S&P500)インデックスファンド
    • 金(ゴールド)インデックスファンド
  • 第3条(積立ルール):どう買い続けるのか?
    • 新NISA(子供の教育資金用)では、毎月3.3万円を給料日直後に自動積立
    • iDeCo(老後資金)では、毎月5,000円を給料日直後に自動積立
  • 第4条(暴落時の行動):相場が下がった時どうするか?
    1. 絶対に売らない。
    2. ニュースやSNSを見すぎない。
    3. 「-15%下落」で待機資金の半分を投資し、「-30%下落」で残りの半分を投資する。
  • 第5条(売却ルール):いつ売るのか?
    • 子どもの大学入学や老後資金など、目的を達成した時に計画的に取り崩す。
    • 感情で売却はしない。
  • 第6条(最優先事項):最も守るべきことは何か?
    • 自分と家族の幸せ
    • 心の平穏を損なってはいけない

ポイントは、できるだけ具体的に書くことです。

そして書き終えたら、家族にも見える本棚など、いつでも確認できる場所に保管しておきましょう。

暴落で心が不安に揺さぶられたとき、このルールブックを読み返せば、冷静だった頃の自分を思い出せます。

「そうだ、自分にはこのルールがあった」と再確認することで、進むべき道を見失わずに済むのです。

トレーニング2|デジタルデトックスDAYを強制的に作る

株価下落時の不安を増幅させる最大の要因は、スマホやPCから流れ込んでくる過剰な情報です。

私たちは、四六時中、投資関連の雑音に晒され続けています。

この情報に依存しすぎることから抜け出すためのトレーニングが、「デジタルデトックス(デジタル機器から離れること)」です。

難しく考える必要はありません。

デジタルデトックス

  • 「毎週土曜の午前中は、投資アプリも、経済ニュースサイトも絶対に見ない」
  • 「平日の夜9時以降は、寝室にスマホを持ち込まない」
  • 「通勤電車の中では、経済ニュースではなく、好きな音楽を聴くか、本を読む」

まずは、こんな簡単なルールからで大丈夫です。

最初は、何か重要な情報を見逃すのではないかと少しソワソワするかもしれません。

しかし、数日もすれば慣れてきます。

そして、あなたはやがて気づくはずです。

「自分が毎日チェックしていた情報の99%は、自分の長期投資の結果に何の影響も与えない、ただの雑音だった」という事実に。

このトレーニングを続けることで、市場との「適切な距離感」が身につきます。

情報を完全に遮断するのではなく、自分に必要な情報だけを必要な時に自分から取りに行く。

この主体的な姿勢が、情報の波からあなたの心を守る強力な防御壁となるのです。

トレーニング3|家族に「我が家の投資方針」をプレゼンする

これは、少し勇気がいるかもしれませんが、効果は絶大です。

子育て世代の投資家は、良かれと思ってか、投資の話を家庭内で秘密にしがちです。

しかし、これは一人での孤独な戦いを生むだけで、何も良いことはありません。

株価下落時、あなたが一人で不安を抱え込んでいる姿を見て、パートナーはどう思うでしょうか?

「何だか怖いことをしているんじゃないか」と余計な心配をしてしまうかもしれません。

だからこそ、投資の話はオープンに話すことが大切です。

我が家の投資方針

  • なぜ投資が必要なのか(目的)
  • どんな方法でやっているのか(安全性、長期、分散投資)
  • 株価下落は必ず起こるもので、むしろチャンスであること
  • 株価下落時に、家族としてどう協力してほしいか(例:不安を煽るようなことを言わず、見守ってほしい)

このような投資方針を、穏やかな休日の午後などにコーヒーでも飲みながら説明するのです。

最初は反対されるかもしれません。

しかし、あなたの真剣な想いと家族の未来を真剣に考えている姿勢は、必ず伝わります。

そして、パートナーが最大の理解者であり、応援団になってくれたとき、あなたの投資は「孤独な戦い」から「家族で未来を築く共同作業」へと変わるでしょう。

株価下落で心が折れそうになったとき、「あなたの方針を信じてるよ」「大丈夫、いつも通りでいこう」というパートナーの一言が、どれほどあなたの心を救ってくれることか。

ぜひ、勇気を出して、あなたの一番の味方を最強のチームメイトに引き入れてください。

まとめ

今回の記事では、投資初心者が株価暴落時に冷静でいられるための「心の準備」と「5つのマインドセット」、そして実践的な「心の筋トレ3選」について詳しく解説しました。

この記事の重要ポイント

  • 投資の成功は知識よりも心の強さが9割:感情的な判断ミスが失敗の主な原因です。
  • 暴落を未来への種まきと捉える:マイナスを損失ではなく、安く資産を仕入れるチャンスと考える。
  • 視点を未来の家族に向ける:目先の株価変動に囚われず、長期的な目標を再確認することが大切です。
  • 変えられることに集中する:市場の動きはコントロールできませんが、自分の行動や習慣は変えられます。
  • 最悪のシナリオを具体化する:漠然とした不安を数字で明確にすることで、意外と大丈夫だと気づけます。
  • 投資成績と親としての価値を同一視しない:あなたの価値は資産額ではなく、家族への愛情で決まります。

これで「株価下落が怖くて夜も眠れない」「家族に申し訳ない気持ちでいっぱい」という悩みは解決できるはずです。

本記事で紹介した5つのマインドセットを身につければ、暴落時でも冷静さを保ち、家族との大切な時間を心から楽しみながら長期投資を続けられるでしょう。

まずは、「投資のルールブック」を紙に書き出すことから始めてみませんか?

そして、ぜひとも勇気を出して家族に投資方針を説明し、最強のチームメイトになってもらいましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


[筆者プロフィール]
40代男性。妻1人、子ども3人(6歳、5歳、2歳)の5人家族。本業年収は300万円前後。2018年1月に貯金500万円から資産形成を開始。約6年で純資産3,150万円を達成(2024年11月時点)。iDeCo、新NISA、投資信託、株式投資、暗号資産などを勉強しながら運用中。過去にハウスクリーニング、現在は暗号資産エアドロップで副収入を得ている。自身の低年収・子育て世代での経験をもとに、再現性の高い資産形成ノウハウやお金に関する思考法・習慣、投資の実践方法、リアルな資産状況などを、同じような悩みを持つ方々の力になれるよう、等身大の言葉で情報をお届けします。

[免責事項]
本記事は、筆者の個人的な経験や見解に基づいた情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れなどのリスクが伴います。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断と責任において行ってください。また、税制や制度に関する情報は変更される場合がありますので、最新の情報をご確認ください。

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