「貯蓄率って、結局どれくらいを目指せばいいんだろう?」
「SNSで『貯蓄率30%』といった投稿を見るたび、うちはダメなのかなと落ち込んでしまう...」
「教育費や日々の食費で手一杯で、そもそも貯蓄に回す余裕なんてない...」
周りの数字と比べては、そんな焦りや不安を感じていませんか?
その気持ち、とてもよくわかります。
家計のことを真剣に考えているからこそ、周りの声が気になって「もっと貯めなければ」と自分を追い込んでしまうものです。
ですが、子育て世帯の家計には「貯めやすい時期」と「教育費などで貯まりにくい時期」の波があります。
本当に大切なのは、世間の平均やSNSの数字と比べることではなく、「先月のわが家」と比べて少しずつ整えていくことです。
貯蓄率は、手取り収入と支出さえ把握できれば、10分ほどで簡単に算出できます。
まずは「わが家の現在地」を正しく知り、今のライフステージに合った無理のない目標を設定してみませんか?
この記事では、わが家の実体験をもとに以下の3つのポイントをわかりやすく解説します。
まずは肩の力を抜いて、あなたに合ったペースを一緒に見つけていきましょう。
貯蓄率の計算|必要なのは「手取り」と「支出」の2つだけ

貯蓄率とは、「手取り収入のうち、何%を将来のために残せたか」を表す割合のことです。
金額ではなく「割合」で見ることで、収入の多い少ないに関係なく、家計の実力を正しく把握できます。
そもそも「貯蓄」には何を含める?
貯蓄と聞くと、銀行預金だけを思い浮かべがちですが、もっと広くとらえて大丈夫です。
次のような「今月使わずに、将来のために取り分けたお金」は、すべて貯蓄に含めて計算しましょう。
現金で残したか、投資や保険に回したかは区別しなくて構いません。
「将来に残せたお金」はすべて貯蓄としてカウントしてOKです。
貯蓄率の計算式と具体例
計算式はとてもシンプルです。
貯蓄率 (%) = ( 手取り収入 − 支出 ) ÷ 手取り収入 × 100
たとえば、手取りが30万円で、支出が27万円だった月を考えてみましょう。
「今月は3万円残った」という金額だけでなく、「手取りの10%を残せた」と割合で見ることで、家計の健全性が客観的につかめるようになります。
ボーナスはどう扱う?|毎月の計算には含めず「別枠」でルール化する
「ボーナスがある月はどう計算すればいいの?」と迷うかもしれませんが、貯蓄率は「毎月の手取り」をベースに計算するのが基本です。
ボーナスを毎月の計算に混ぜてしまうと、月々のリアルな収支が見えにくくなり、知らず知らずのうちに「ボーナス頼みの家計(毎月の赤字をボーナスで補填する状態)」になってしまうリスクがあるからです。
ボーナスは毎月の計算から外し、あらかじめ「別枠」で使い道のルールを決めておきましょう。
「毎月の手取りで無理のない貯蓄率を決め、ボーナスは別枠でしっかり残す」
これが、出費がかさむ子育て世帯でも年間を通じて家計を安定させる一番のコツです。
適切な貯蓄率はどのくらい?|目安は手取りの10〜20%

結論からお伝えすると、目指すべき目安は「手取りの10〜20%」です。
特に出費がかさむ子育て世帯であれば、まずは「10%」を確保できていれば十分に合格ラインと考えてよいでしょう。
子育て世帯は10%でまず合格!
貯蓄率の一般的な判定基準は、次のとおりです。

もちろん、住んでいる地域や子どもの年齢(教育費のピークなど)によって現実的な数字は変わります。
それでも「まずは10%を目指し、家計が落ち着いたら20%へ」という2段階のステップを持っておくと、目標がぐっと立てやすくなります。
「平均貯蓄率30〜38%」というデータに落ち込まなくていい理由
「でも、世間の平均はもっと高いのでは?」と気になる方もいるかもしれません。
実際、総務省統計局の「家計調査(二人以上の勤労者世帯)」を見ると、近年の黒字率(手取りから消費支出を引いた割合)は約30〜38%前後(2024年平均では37.8%)という高い水準で推移しています。
この数字だけを見ると、「世間は手取りの4割近くも残しているの? うちは10%台だからダメなのかな...」と焦ってしまうかもしれません。
ただ、この統計の数字をそのまま真に受けて落ち込む必要はまったくありません。
この「貯蓄率」には、次のような統計上のからくりがあるからです。
つまり、教育費まっただ中の子育て世帯が、この平均と比べて落ち込む必要はまったくないのです。
◆「手取りの10%」を続けるだけで大きな力になる
「10%で本当に足りるの?」と思うかもしれませんが、手取りの10%を積み立て続ける効果は決して小さくありません。
たとえば、貯蓄率10%を30年間続けると、単純計算で「手取り3年分」のまとまった蓄えになります。
ここに運用利回りが加われば、さらに資産は大きく育つでしょう。
「たった10%」と焦る必要はまったくありません。
教育費や生活費がかかるこの時期に、毎月確実に手取りの1割を将来に残せていること自体、とても価値のある実績です。
比べる相手は「平均」ではなく「先月のわが家」
貯蓄率は、他人や平均と競い合うためのものではなく、「わが家の現在地と変化」を測るためのものです。
平均データやSNSのキラキラした投稿と比べて一喜一憂しても、私たちの家計は1円も改善しません。
「先月と比べて、見直した固定費の効果は出ているか?」
「支出が多かった月は、何が原因だったのか?」
比較の物差しを「よそ」から「先月のわが家」に変えること。
これこそが、貯蓄率という指標を家計管理に正しく活かすための、もっとも重要な視点です。
子育て世帯の貯蓄率|「貯めどき」と「貯まらない時期」の波を知る

貯蓄率の目安がわかっても、「今のわが家にはとても無理...」と感じた方もいるかもしれません。
はい、その感覚は決して間違いではありません。
子育て世帯の家計は、子どもの進学に伴う教育費の増減や、親の働き方(育休や時短勤務など)の変化によって、収支のバランスが大きく揺れ動くものだからです。
そのため子育て期には、出費が重なって思うように貯められない時期がどうしても訪れ、どの家庭も家計をやりくりしながらその期間を乗り切っていかなければなりません。
だからこそ大切なのは、一時的な数字の落ち込みに焦らないことです。
ここでは、子育て世帯に訪れる「家計の波」の正体と、焦らず無理なく乗り切るためのコツについて詳しく見ていきましょう。
人生で訪れる「3回の貯めどき」
家計の世界では、貯蓄を大きく増やせるチャンスは人生で3回あると言われています。
逆に言えば、この3回以外の時期、特に中学・高校・大学と進む「教育費のピーク期」は、貯蓄率が下がって当然なのです。
教育費ピーク期に貯蓄率が下がるのは「家計の失敗」ではない
幼稚園から大学まですべて公立で進んだ場合でも、子ども1人あたり約1,000万円の教育費がかかると言われています(※一般的な試算の目安です)。
これだけ大きな支出を抱える時期に、独身世帯や子育て前の世帯と同じ貯蓄率を維持できるはずがありません。
だからこそ、子育て世帯の貯蓄率は次のように考えてください。
大切なのは毎年ずっと高い数字を維持することではなく、「今は下がる時期」とあらかじめ見越して、貯めどきに厚く備えておくことです。
◆ 私の体験談|子ども3人のわが家も「波」を受け入れてラクになった
わが家は子ども3人の5人家族で、本業年収は300万円(+副業年収約200万円)です。
私は当時、子どもが1人、2人、3人と増えていく中、SNSで見かける「貯蓄率40%達成!」といった投稿を見ては、「うちは全然貯められない」と焦ってばかりいました。
しかし、家計を整えていく中で気づいたのは、「ライフステージごとの波を受け入れ、わが家のペースを把握し続けること」の大切さでした。
固定費を見直し、先取り積立を仕組み化して、「前月より少しでも改善していればOK」と割り切る。
この積み重ねを続けた結果、2018年に貯金500万円だったわが家は、約7年で純資産3,150万円(2024年11月時点)まで資産を伸ばすことができました。
家計を安定させたのは「無理に維持した高い貯蓄率」ではなく、「無理のない範囲でわが家の数字を把握し続けたこと」だったと実感しています。
「今は下がる時期」とわかるだけで、家計の焦りは消える
貯蓄率が落ちてくると、「自分のやりくりが下手だからだ」と自分を責めてしまいがちです。
しかし、「ライフステージの地図」を持っていれば、「今は教育費のピークだから、貯蓄率が落ちて当然の時期」と冷静に受け止めることができます。
焦って無理な節約に走り、家族の空気がギスギスしてしまうことこそ、家計管理が破綻する一番の原因です。
「下がる時期は守りに徹し、貯めどきが来たら一気に積む。」
この長い見通しを持つことこそが、子育て世帯が貯蓄率とストレスなく付き合っていくための最大の秘訣です。
貯蓄率を測ってみよう

ここまで読んだら、あとは実際に「貯蓄率」を測ってみるだけです。
完璧な家計簿を用意する必要はまったくありません。
まずは肩の力を抜いて、スマホ片手に進めてみましょう。
手元のアプリや通帳で確認する「簡単3ステップ」
やることは次の3ステップだけです。
たったこれだけで、現在の「わが家の貯蓄率」がすぐにわかります。
まずは「先月1か月分」だけで十分です。
ボーナス月や特別費の月を避けた「直近3か月の平均」で計算すると、より実態に近い数字がつかめるでしょう。
数字が低くても落ち込む必要はありません
もし、計算した結果が思ったより低い数字だったとしても、決してがっかりしないでください。
大切なのは、いま何%なのかという結果そのものよりも、「あなたの家計の現在地を正確に知ること」です。
現状の数字を把握できた時点で、家計改善の半分はすでに達成したようなもの。
まずは、現在の数字をスタートラインとして、過去のわが家と比べながら一歩ずつ整えていきましょう。
▼【さらに詳しく知りたい方へ】家計全体の診断はアプリとAIにお任せ
「貯蓄率だけでなく、固定費のバランスや改善点までもっと詳しくチェックしたい」という場合は、家計簿アプリのデータをAI(ChatGPTなど)に分析してもらう方法も非常に便利です。
家計簿の数字をコピペしてAIに渡すだけで、家計の健康診断が完了します。
詳しい手順やそのまま使えるプロンプトは、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【子育て世帯向け】家計のモヤモヤを解消!5ステップでできる簡単・家計診断
続きを見る
貯蓄率を上げる方法

現在地がわかったら、いよいよ貯蓄率を引き上げていく段階です。
ここで最も大切なのは「頑張る量(我慢)」ではなく「手を打つ順番」です。
家計改善は、次の3ステップで進めるのが鉄則となります。
固定費を見直す
貯蓄率を上げようとするとき、多くの人が真っ先に「食費や日用品の節約」に走りがちです。
しかし、毎日の我慢が必要な節約はストレスがたまる上に、削れる金額も限られます。
先に手をつけるべきは、一度手続きすれば効果がずっと続く「固定費」です。
わが家の場合、次の固定費たちを見直しただけで毎月の支出が大きく変わりました。
これだけで月2〜3万円ほどのゆとりを作ることに成功。
手取り30万円の家庭であれば、これだけで貯蓄率が約6.6~10%もアップする計算です。
日々の我慢を一切せずにこれだけ数字が改善するのですから、固定費から手をつけない手はありません。
固定費や変動費をどの順番で見直すかについては、こちらの記事で7つのステップにまとめていますので、よかったらご覧ください。
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家計の見直しはどこから?効果が大きい順に進める7ステップ【子育て世帯向け】
続きを見る
浮いたお金を「先取り」して貯蓄率を固定する
固定費の見直しで浮いたお金を、そのまま生活費の口座に置いておくと、不思議なくらい自然に消えていきます。
だからこそ欠かせないのが、給料日に自動で別口座へ移す「先取り貯蓄」の仕組み化です。
たとえば「給料日に手取りの10%を自動振替する」と一度設定してしまえば、あとは残ったお金で生活するだけで、貯蓄率10%が仕組みとして固定されます。
「毎月意志の力で残そうと頑張る」のではなく、「最初に仕組みを作って自動で残す」。
これが、出費に追われる子育て世帯が貯蓄率を安定させる一番確実な方法です。
土台ができたら「投資」と「支出バランスの最適化」へ進む
先取り貯蓄で「手取りの10%」が無理なく残せるようになったら、最後のステップです。
ここからは、さらに資産形成を加速させるために次の2つを検討していきましょう。
まずは、急な出費に備える「生活防衛資金:生活費の6か月〜1年分」(会社員は生活費の3~6か月でもOK)を普通預金で確保します。
その上で、新NISAやiDeCoなどを活用して将来のための積立投資を始めましょう。
投資には元本割れのリスクがありますが、長期・積立・分散を守ることでリスクを抑えつつ、複利の力で資産形成のスピードを高められます。
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教育費・住宅資金・老後まで備える!子育て世代のための【iDeCo】【新NISA】活用法
続きを見る
2つめは、家計全体の支出バランスの点検です。
住居費や教育費、食費など、費目ごとの理想的な割合(家計の黄金比)をチェックし、さらに無駄のない配分へと整えていきましょう。
家計の黄金比は、AIを使えば自動で診断できますので、次の記事を参考にぜひ作成してみてください。
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家計の黄金比とは?理想の支出バランスをAIで自動計算する方法
続きを見る
Q&A|よくある質問

最後に、貯蓄率を計算・管理するなかで「うちの場合はどう考えればいい?」と迷いやすい3つのケースについて解説します。
赤字で貯蓄率がマイナス...何から手をつければいい?
まずは「毎月の赤字」なのか「特別な出費の赤字」なのかを切り分けましょう。
毎月赤字なら、通信費、保険、使っていないサブスクなど、まずは「固定費を1つだけ見直す」ことから始めてみてください。
一方、車検や帰省など特定の月だけ赤字になるタイプなら、毎月の家計自体は健全なケースが多いです。
年間でかかる「特別費」をあらかじめ見積もり、毎月少しずつ取り分けておけば解決するでしょう。
赤字の現状が把握できた時点で、家計はすでに改善へ向けて前に進んでいます。
焦って一度にすべてを直そうとせず、できるところから1つずつ整えていきましょう。
新NISAなどの「投資の利益(含み益)」は貯蓄率に含める?
含めません。貯蓄率は「今月いくら積み立てたか(元本)」だけで計算します。
株や投資信託の評価額は日々変動するため、増減した利益(含み益や評価損)まで計算に入れてしまうと、家計本来のやりくりの実力が見えなくなってしまいます。
貯蓄率の計算では、「手取りから実際に投資へ回した金額(毎月の積立額)」だけを貯蓄としてカウントするのが基本です。
「夫婦別財布」の場合はどう計算すればいい?
細かい支出をすべて開示しなくても、「夫婦それぞれの貯蓄額」を合算すれば計算できます。
理想は夫婦の収入と支出をすべて合算することですが、お互いの支出を細かく共有するのが難しい場合もあるはずです。
その場合は、次のシンプルな方法でおおよその世帯貯蓄率がつかめます。
生活費の内訳をすべてオープンにしなくても、この方法ならお互いのプライバシーを保ちながら「世帯全体の貯蓄ペース」をしっかり把握できるでしょう。
まとめ|平均に振り回されず「わが家のペース」で進めよう

ここまで、適切な貯蓄率の目安と、出費のかさむ子育て世帯ならではの付き合い方についてお話ししてきました。
最後に、本記事の大切なポイントを振り返ります。
本記事のポイント
- 貯蓄率の目安は手取りの10〜20%
出費の多い子育て世帯なら、まずは手取りの「10%」を確保できていれば十分に合格ラインです。 - 平均やSNSと比べず、「先月のわが家」と比べる
子育て期には「貯めどき」と「下がって当たり前の時期」の波があります。よその数字に一喜一憂せず、わが家の変化に目を向けましょう。 - 貯蓄率を上げる方法は「固定費 → 先取り → 投資と支出バランスの最適化」の3ステップ
我慢の節約ではなく、まずは効果がずっと続く固定費を見直し、浮いたお金を自動で先取りする「仕組み」を作ることが大切です。
「何%残せばいいんだろう?」というモヤモヤは、目安さえ決まってしまえば「今月のわが家は何%だったかな」と確認するだけのシンプルな作業に変わります。
他人の数字を見て落ち込む時間は、今日で終わりにしましょう。
まずは今日、家計簿アプリやクレカ明細などを開いて、先月の貯蓄率を1回だけ計算してみてください。
そのわずか10分の行動が、「なんとなくお金が不安な家計」から「数字で現在地を把握できている安心な家計」へと変わる確実な第一歩になるはずです。
[筆者プロフィール]
40代男性。妻1人、子ども3人(7歳、5歳、3歳)の5人家族。本業年収は300万円前後。2018年1月に貯金500万円から資産形成を開始。約7年で純資産3,150万円を達成(2024年11月時点)。iDeCo、新NISA、投資信託、株式投資、暗号資産などを勉強しながら運用中。過去にハウスクリーニング、現在は暗号資産エアドロップで副収入を得ている。自身の低年収・子育て世代での経験をもとに、再現性の高い資産形成ノウハウやお金に関する思考法・習慣、投資の実践方法、リアルな資産状況などを、同じような悩みを持つ方々の力になれるよう、等身大の言葉で情報をお届けします。
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