資産形成

もう迷わない資産の売り方|40代子育て世帯の3つの売却タイミングと出口戦略

Three selling times 1-5
  • 「まだ上がるかもと思って、いつも売るチャンスを逃してしまう...」
  • 「今売ると損かも...と不安で決められない」
  • 「感情に流されて、せっかく増やした資産を無駄にしてしまったらどうしよう...」

投資でコツコツ資産を増やしてきたけれど、「いつ売ればいいのか分からない」と感じている人は多いのではないでしょうか。

特に40代の子育て世帯にとって、「売るタイミング」は大きな悩みのひとつです。

もし、明確な「売却ルール」を持たないまま投資を続けていると、市場の上げ下げに一喜一憂してしまい、いざというときに冷静な判断ができなくなることもありえます。

そこで本記事では、そんな不安を解消するために、次の内容を紹介していきます。

本記事の主な内容

  • 資産を売るべき「3つの明確なタイミング」とは?
  • ライフイベントごとの具体的な売り方
  • リスクを下げる「分けて売る」方法
  • 40代子育て世帯に合った出口戦略


私は、3児の子育てをしながら資産運用を続けてきました。

その中で学んだのは、「感情に流されず、あらかじめ決めたルールに従うこと」の大切さです。

この記事では、その実践方法をわかりやすく整理し、さらに多くの投資家がつまずきやすい心理的な失敗例も交えて解説していきます。

読み終える頃には、「いつ・なぜ・どれくらい売るか」を自分の言葉で説明できるようになっているでしょう。

そして、あいまいだった「売り時」の不安が、具体的な「計画」と「自信」に変わるはずです。

それでは一緒に、感情に振り回されない売却ルールを作り、資産運用の次のステージへと進んでいきましょう!

なぜ40代子育て世帯は「売るタイミング」で迷うのか?

40代は、仕事でも家庭でも充実した時期である一方、人生の大きな分かれ道に立つ年代です。

特に子育て世代にとっては、目の前の教育費、将来に備える老後資金、そして重くのしかかる住宅ローンという「人生の三大支出」が現実的な課題として立ちはだかります。

また、投資で順調にお金を増やしてきたとしても、「この投資をいつ、何のために、どのように売るのか」という出口、つまり「売るタイミング」が、今多くの家庭にとって頭の痛い問題となっています。

「まだ上がるかもしれない」

「今売ったら損をするのではないか」

こうした気持ちは、投資をしている誰もが一度は感じたことがあるはずです。

人は「もっと利益を伸ばしたい」という欲と、「損を出したくない」という恐れの間で揺れ動くもの。

その結果、売るべきときに決断できず、チャンスを逃したり、逆に焦って売ってしまったりするのです。

結局のところ、「売るタイミングの難しさ」は、数字の問題ではなく『感情の問題』なんですね。

では、感情に振り回されずに判断するためには、どうすればよいのでしょうか?

市場の熱気や悲観に惑わされず、最適なタイミングで資産を売却するためには、感情的な判断を避け、あらかじめ決めておいた客観的な「ルール」に従うことが極めて重要です。

例えば、「どんなときに投資をやめるのか」「どんな状況で資産を売るのか」といった基準を、家計やライフイベントと結びつけて決めておくといった具合です。

こうして『自分なりの売却ルール』を持っておくことで、市場の上下に一喜一憂せず、家族の将来を見据えた冷静な判断ができるようになるのです。


では実際、どんなときに投資をやめたり、資産を売ったりすればよいのでしょうか?

ここからは、私自身の経験をもとに、40代子育て世帯が意識しておきたい「資産を売る(使う)3つのタイミング」をわかりやすく解説していきたいと思います。

金融資産を売るべき3つのタイミング

投資信託やETF、個別株などの金融資産を「売る」ことは、あなたの人生の目標を叶えるために欠かせない大切なステップです。

ここでは、40代・子育て世帯ならではの「3つの売却タイミング」を取り上げて解説していきます。

私たち、40代の子育て世帯が金融資産を売却するタイミングは、主に以下の3つのパターンが考えられます。

40代子育て世帯に多い3つの売却タイミング

  1. ライフイベントの資金確保のため:教育費や住宅ローン繰上返済など、特定の目的のために資金が必要になったとき。
  2. ポートフォリオ最適化(リバランス)のため:資産全体のバランスを整え、リスクを管理するために売却するとき。
  3. 投資戦略転換・損切り判断:当初の投資方針とズレが生じたり、損失を限定的にしたりするために売却するとき。

あなたは、どのパターンに当てはまるでしょうか?

一つずつ、具体的に見ていきましょう。

パターン1|ライフイベントの資金確保のため

これは、最もイメージしやすい売却理由でしょう。

主なライフイベント

  1. 教育資金
  2. 住宅ローンの繰上返済
  3. マイカー購入資金
  4. リフォーム資金

これらのライフイベントは、いつまでに、いくら必要か、ゴールが明確なため、計画的に売却を進めやすいのが特徴です。

では、順番に見ていきましょう。

子どもの大学費用は、多くの家庭にとって資産売却を検討する最大のイベントです。

例えば、「子どもが18歳になるまでに、私立大学の入学金と4年間の学費として550万円を投資で準備する」という目標を立てたとします。

この場合、ゴールとなる時期(18歳の誕生日)と金額(550万円)が明確に決まりますね。

ここで重要なのは、目標額に達した後に、リスクの高い運用を続けないこと

大学入学の直前に市場が暴落してしまい、目標額を大きく下回ってしまうリスクがあるからです。

そうならないよう、目標金額に達したときの資産売却方法は、あらかじめ決めておく必要があります。

効果的な売り方は、次の2つです。

目標金額に達したときの効果的な売り方

  1. 目標達成後、早めの売却:目標額の550万円に、子どもが16歳(高校2年生)の時点で到達した場合、その時点で一度全額または大半を売却し、安全な預貯金に移しておく。これにより、残りの2年間で市場がどう動こうと、必要な資金を確実に確保できます。
  2. 段階的に売る方法:子どもが中学校に入学する12~13歳頃から、5年かけて毎年110万円ずつなど、計画的に分割して売却していく方法です。これにより、売却タイミングを分散させ、高値で売り逃すリスクと、安値で売ってしまうリスクの両方を減らせます。

上記2つのどちらかの方法を使えば、市場暴落のリスクを大きく減らすことができるでしょう。

私ならこうする!

私自身は「目標達成前に、段階的に売る方法」を選ぶ予定です。この方法のメリットは、高値で売り逃すリスクと、安値で売ってしまうリスクの両方を減らすことができる点です。

例えば、子どもが13歳時点で『外国株式:50%、外国債券:25%、現金:25%』の資産配分だった場合を考えてみます。この場合、大学資金が必要になる18歳までの5年間、毎年12月に「外国株式を10%、外国債券を5%減らして」、「現金を15%増やす」というような資産配分変更を行っていきます。市場暴落が起きなければ、最終的に『現金:100%』に近い資産配分になるはずです。


よくある失敗例と心理的な落とし穴についても、ひとつ紹介しておきましょう。

実際によくあるのは、「せっかく積み上げた教育資金を、あと数年だから大丈夫だろう」と思い、そのまま運用を続けてしまうケースです。

子どもが高校3年生の時点で予定額を達成していたのに、直前に株価が20%以上下落し、最終的に100万円以上不足した...なんていう事例も少なくありません。

人はつい、「もう少し増えるかも」「まだ下がらないだろう」と考えて、売るタイミングを先延ばしにしてしまいがちです。

だからこそ、教育費のように「いつ・いくら必要か」がはっきりしているお金は、目標額に近づいた時点で、値動きのある投資商品から安全な預貯金に移しておくのが安心なのです。

こうしておけば、相場の変動に左右されず、子どもの進学時期にしっかりお金を用意できるでしょう。

私自身もこの方法で、落ち着いて進学の準備を進めていくつもりです。

「手元にまとまったお金がある。住宅ローンを早く返すべきか、それとも投資に回すべきか...」

これは、多くの人が悩むテーマです。

なぜなら、返済を優先すれば、確実に負担を減らせる一方、投資による資産増加の可能性を放棄することになるからです。

では、どうすれば「投資を続けるか、返済を優先するか」について、判断を下すことができるのでしょうか?

判断の基本は、「住宅ローンの金利」と「投資で期待できる利回り」を比べることです。

例えば、住宅ローンの金利が年1.5%だったと仮定します。

投資で年3%以上の利益が安定して見込めるなら、返済せず投資を続けた方がお金は増える計算になります。

逆に、投資のリターンが1%程度しか期待できないなら、年1.5%の利息を確実に減らせる繰上返済の方が有利です。

ただ、判断の材料は数字だけではありません。

住宅ローンが残っていること自体を「重荷」と感じる人も少なくないからです。

繰上返済によって毎月の返済が軽くなったり、完済までの期間が短くなったりしたときに得られる安心感は、計算上の利益以上に大きな価値を持つこともありえます。

私ならこうする!

私自身なら、このケースでは「繰上返済」を優先すると思います。理由はシンプルで、確実に借金が減る安心感が、投資で数%多く増やせるかもしれないという期待よりも価値があると感じるからです。家計の土台が安定することで精神的にも余裕が生まれ、その後の投資判断においても冷静さを保てると考えています。

また、この判断をするうえで忘れてはいけないのが夫婦での話し合いです。

お金の優先順位は家庭ごとに違うため、数字だけでなく「どちらが安心できるか」を共有することが重要になってきます。

お互いの考えを擦り合わせて決めることで、納得感のある選択になり、後悔のない判断につながるでしょう。

数年以内に計画している車の買い替え、家のリフォーム費用なども、売却のきっかけになります。

こうした「使う時期がはっきりしている短期的な出費」の場合、リスク資産への投資で準備するとリスクが非常に高くなるため、極力やめておきましょう。

理想は、あらかじめ預貯金で準備しておくことです。

ただし、どうしても投資資産から取り崩す必要があるなら、教育費のときと同じように、必要な時期の1〜2年前には売却して現金にしておきましょう。

短期的な値動きで必要な金額が準備できなくなる事態だけは、必ず避ける必要があります。

私ならこうする!

私なら、こうした出費についてはできるだけ投資資産には手をつけず、預貯金で対応するようにします。なぜなら、車やリフォームといった出費は、「短期的に必ず支払う時期が来るお金」だからです。もし、投資資産を売却して支払う場合でも、必ず1〜2年前には現金化して、安心して支払いに備えたいと考えています。

短期的な出費に備えるときは、「増やす」ことよりも「確実に準備できること」が何より大切です。

安心して支払いの日を迎えられるように、今日から計画的に動いていきましょう。

パターン2|ポートフォリオ最適化(リバランス)のため

これは、「利益が出たから売る」のではなく、「資産全体のバランスを整えるために売る」という、より戦略的な売却です。

守りの売却とも言えます。

リバランスを検討する目安は、主に以下の2つです。

リバランスを検討する目安

  1. 元の適切な水準に戻す:「アセット比率が目標から10%以上乖離」したらリバランスを検討
  2. 集中投資解消:「単一銘柄が30%超え」は危険信号!リスク分散のためにリバランスを検討

例えば「株式60%・債券40%」を目標にしていたのに、株価が上がって株式が70%まで膨らんだ場合、本来のリスクよりも大きく株に偏ってしまいます。

このように資産の配分が目標から10%以上ずれたら、リスクを抑えるために一部を売却して比率を戻すのが基本です。

特定の銘柄や商品に偏って投資をすると、その価格が大きく下落した際に、資産全体が大きな打撃を受けるリスクが高まります。

特に、「1つの銘柄が30%を超える」ような状況は危険信号かもしれません。

リスク分散のために一部を売却して、他の商品に振り分ける検討を始めましょう。

実際によくあるのは、株価の上昇で資産が増え、「うまくいっている」と感じてしまい、リバランスを後回しにして放置してしまうケースです。

ところが、その後株価が大きく下落すると、偏りが大きかった分だけ損失も拡大してしまいます。

結果的に、「せっかくの利益を守れなかった」というケースは少なくありません。

リバランスをしないことは、一見得をしているようで、実はリスクを放置しているのと同じなのです。

私ならこうする!

私なら、リバランスは「年に1回」と「大きく崩れたとき」の2段構えで考えます。投資信託に関しては、自動積立で放置していますが、比率が10%以上ずれたら売却や買い増しで調整します。個別株式に関しては、1銘柄の比率が資産全体の30%を超えたら、一部を売却して、他の銘柄を時間分散で徐々に購入するようにしています。

リバランスは「利益を最大化するため」ではなく「資産を長く守るための仕組み」だと意識しています。

投資初心者の方におすすめの方法は、「年に1回、必ずチェックする日」を決めることです。

例えば、自分の誕生日や年末など、忘れにくいタイミングを選びましょう。

その日にポートフォリオの比率を確認し、もし大きくずれていたら調整するだけで十分です。

慣れてきてから、見直す頻度を増やすのが理想ですが、まずは「続けられる仕組み」をつくることが大切です。

パターン3|個別株式の損切り判断・投資戦略の転換のため

これは、株式投資における当初の想定が外れたり、自分の考え方やライフステージが変わったりしたときに行う、いわば「軌道修正」のような売却となります。

感情に流されやすい場面だからこそ、冷静な判断が必要です。

損切りとは、「ある基準を決めて、損失が出ている株式などの資産を売ること」を言います。

誰しも損を確定させたくないので、とても難しい行動です。

しかし、損切りができないと「塩漬け」と呼ばれる状態になり、お金が動かせず、さらに大きな損失につながることもありえます。

だからこそ、感情で迷わないように、あらかじめ「損切ルール」を決めておくことが重要です。

例えば、個別株式の投資においては、次のようなルールを決めておくとよいでしょう。

損切ルールの目安

  • 目安①:「購入時から15%下がったら売る」
  • 目安②:「購入時から30%下がったら売る」

このようなシンプルな基準をあらかじめ決めておけば、下落局面でも「ルールに従うだけ」と冷静に対応できます。

損切りは『失敗』ではなく、「これ以上の損失を防ぎ、次のチャンスに資金を回すための必要経費」と考えることが大切です。

特に、個別株やアクティブファンドに投資している場合は、この損切りルールが欠かせません。

個別株式投資において、その投資対象を選んだ理由を振り返ってみてください。

その投資対象を選んだ理由の例

  • 「高い配当が魅力だった」→ しかし減配や無配になってしまった
  • 「成長性に期待していた」→ しかし業績が伸び悩み将来性が薄れた

このように、様々な理由で個別株式投資を行っていたと思います。

しかし、もし投資を始めた理由そのものが崩れてしまったなら、たとえ含み損が出ていても売却を検討すべきでしょう。

なぜなら、その銘柄を選んだ「根拠」がなくなった以上、今後値上がりを期待する理由もなくなってしまうからです。

持ち続けることで資金が動かせず、将来性のある投資先に回すタイミングを逃してしまうおそれもあります。

例えば、子どもの習い事を考えてみてください。

最初は「将来のためになりそう」と思って始めた習い事でも、子どもが興味を失ってしまったら、そのまま月謝を払い続けるのはもったいないですよね?

そのお金を、より興味を持てる習い事や将来につながる教育費に回したほうが、子どもの成長にとってプラスになると思います。

投資も同じで、選んだ理由がなくなったなら、そのお金を新しいチャンスに向けて動かす勇気が必要です。

ライフステージの変化に合わせて、投資戦略を見直す場面もあるでしょう。

ライフステージ別の投資スタイル

  • 若いころ(20〜30代):「攻め」
    時間を味方につけて、リスクを取りながらリターンを狙う時期。
    個別株式や株式型インデックスファンドなど、積極的な資産運用が中心。
  • 子育て期(40代):「バランス」
    教育費や住宅ローンなど支出が増える時期。
    株式だけでなく、債券や金(ゴールド)、預貯金も組み合わせて、リスクを抑えた安定運用を意識。
  • 50代以降:「守り」
    老後資金を「守りながら使う」段階。
    株式の比率を下げ、国債や現金など安定資産にシフトしていく。

例えば、20〜30代の若いころは、時間を味方につけてリスクを取りやすい時期。

この時期は、株式や成長性の高い投資信託など、「攻めの投資」を中心に資産を増やす戦略が有効です。

一方で、子育て期に入る40代は、教育費や住宅ローンなど支出が増える時期。

ここでは、株式だけでなく債券や金、預貯金も組み合わせた「バランス型」の運用に切り替えることで、家計への影響を抑えながら安定的に資産を育てていくことが大切です。

そして、子どもの独立や定年が見えてくる50代以降は、老後資金を「守りながら使う」段階へ。

株式など値動きの大きい資産を少しずつ減らし、国債や現金などの安定資産へ移していくのが安心です。

このように、ライフステージに合わせて資産の構成を調整していくことで、老後の生活資金を無理なく守り、必要なときに安心して使える状態をつくることができるでしょう。

私ならこうする!

私は、個別株式の損切りについては「明確なルールを先に決める」ことを最優先にしています。感情に左右されてからでは遅いので、購入時に「マイナス50%まで下がったら必ず売る」などの基準を決めておきます。

また、投資の根拠が崩れた銘柄については、たとえ損が出ていても思い切って手放すようにしています。理由はシンプルで、「次のチャンスに資金を回すことが、最終的に資産を守り増やす近道」だと考えているからです。

さらに、ライフステージが変わるタイミングでは、リスクを抑える方向に戦略を切り替え、家族の安心を優先するようにしています。

ちなみに、損切りルールを作るときは、次の3ステップで考えると分かりやすいです。

損切ルールをつくるための3ステップ

  1. 基準を数値化する:「50%下がったら売る」など、感情ではなく数字で判断するのがポイントです。
  2. 事前に書き出す:購入時にノートやメモアプリに「売却ルール」を記録しておく。
  3. 実行の場面をシミュレーション:「もし今50%下がったらどうする?」と普段から想定しておく。

こうして準備しておくことで、いざ損切りが必要になったときも迷わずに行動でき、資金を守ることができます。

損切りは「失敗」ではなく、「未来の自分と家族を守るための一歩」です。

怖さよりも、『資金を次に活かすチャンス』と捉え、ルールを作ることから始めてみましょう。

実践的な売却戦略で失敗を避ける

いつ売るか、どんな基準で売るかを決めたら、次に考えるべきは『どのように売るか』という具体的な方法です。

ここでは、リスクを減らし、税金の負担を抑えるための実践的な方法を紹介していきます。

一括ではなく「段階的に売る」でリスク分散

まとまったお金が必要なときでも、すべてを一度に売ってしまう「一括売却」にはリスクがあります。

高く売れることもありますが、反対に一番安いタイミングで手放してしまうリスクもあるのです。

だからこそ、売却のタイミングを複数に分けて『平均化』するという考え方が重要になります。

そこで有効なのが、 「段階的売却(分割売却)」 です。

例えば「3ヶ月にわたって毎月3分の1ずつ売る」といったルールを決めておけば、売却価格を平均化できます。

この方法なら、「最悪のタイミングで全部売ってしまった」という失敗を避けられるでしょう。

私ならこうする!

私自身も、まとまった資金が必要なときは「必ず分けて売却する」ようにしています。過去に一括で売却して「あと数週間待てばもっと高く売れたのに」と後悔した経験があるからです。

今では『必ず複数回に分けて売る』とルールを決めているので、感情に流されず冷静に売却できています。

段階的売却を成功させるには、次のようなシンプルなルールを作っておくとよいでしょう。

実践的なルール設定

  • 必要資金が3ヶ月以内に必要:毎月、3分の1ずつ売却
  • 必要資金が半年以内に必要:毎月、6分の1ずつ売却
  • 必要資金が1年以内に必要:四半期ごとに4分の1ずつ売却

こうしてルールを数字や日付で明確にしておけば、相場に左右されず計画通りの行動ができます。


段階的売却は「小さな工夫」でリスクを大きく減らせる方法です。

完璧にやろうとする必要はありません。

まずは「一度に全部売らない」というルールを作るだけでも効果があります。

その一歩が、安心して資産を守る大きな力となるでしょう。

NISA枠・課税口座の売却順序で税負担を最小化

投資で利益が出ると、通常は約20%の税金がかかります。

しかし、NISA口座の利益は非課税(税金0円)です。

この違いを理解して、できるだけ税金を減らせるように売却の順番を工夫しましょう。

税金を抑えるための売却順序は次の通りです。

売却する順序(税金を抑える順序)

  • 1番目:課税口座(特定口座・一般口座)
    • 理由:利益に税金がかかるため、先に売却して税負担の軽い段階で利益を確定
  • 2番目:旧NISA口座
    • 理由:非課税期間に期限があるため、新NISA口座よりも先に売却
  • 3番目:新NISA口座
    • 理由:非課税期間が無期限で、売却後も翌年に枠が復活するため、売却する順番は最後

この順序を意識して売却すれば、非課税のメリットを最大限に活かしながら、効率よく資金を確保できます。

私ならこうする!

私自身は、「新NISA口座はできるだけ温存する」方針をとっています。なぜなら、新NISAは非課税枠が無期限で、売却しても枠が翌年復活するからです。

逆に、旧NISAは期限が決まっているので「もったいない」と思わず、必要に応じて計画的に売却していきます。そして、課税口座については「利益が出たら先に整理する」ようにして、税金がかかったとしても、前向きに次の資金へつなげていけるようにしています。

税負担を最小化するためには、次の4ステップで実践するとよいでしょう。

税負担を最小化するための4ステップ

  1. 自分の口座の種類を確認する:課税口座、旧NISA、新NISAのどれをどのくらい持っているか確認する。
  2. 売却の優先順位を決める:「課税口座 → 旧NISA → 新NISA」の順番をメモやノートに書いておく。
  3. 期限を意識する:旧NISAは期限が決まっているので、残り年数をカレンダーに記録してチェックする。
  4. 売却後の再投資を計画する:新NISAで売却した場合は翌年に枠が復活するため、その資金をどう再投資するか事前に考えておく。

売却の順番を少し工夫するだけで、税金の負担は大きく変わります。

まずは「どの口座から売るのが有利か」を知ることが第一歩です。

今すぐに、自分の口座の残高と種類を確認するだけでも、将来の安心につながるでしょう。

ルールを決めて「迷い」をなくす

個別株式投資を行う際、売却のときに一番の敵になるのは「感情」です。

「もう少し待てば上がるかも…」

「これ以上損するのは怖い…」

こうした気持ちに流されると、判断を誤る可能性があります。

そこで役立つのが、数値で決めた売却ルールです。

売却ルールの一例

  • 「購入した個別株の株価が2倍になったら半分だけ売る」
  • 「個別株が購入時から▲50%下がったら全て売る」

こうしたルールをあらかじめ設定しておけば、相場が大きく動いても「決めた通りに動くだけ」で冷静に対応できます。

私ならこうする!

私自身、「個別株式においては購入時点で必ず売却基準を決めておく」ようにしています。たとえば「▲50%で損切り」「購入時点から株価2倍で利益確定」と数値化して、A4ノートに手書きで記録しています。

こうしておくことで、実際に相場が大きく動いたときでも迷わず行動できるのです。また、一度決めたルールは原則として変えず、「感情で基準を緩めない」ことを徹底しています。これが、長く投資を続けるうえで一番の安心材料になっています。

売却ルールを設定するために、次の3ステップを実践しましょう。

売却を設定するための3ステップ

  1. 売却方法を決める:一度に売らず「3回に分けて売る」など、自分に合った分割ルールを設定する。
  2. 口座の順番を確認する:課税口座 → 旧NISA → 新NISA の順番で売却するのが基本。自分の保有資産を確認して優先度を整理する。
  3. 売却ルールを数値化する:個別株式投資において、「〇%下がったら売却」「〇〇円になったら売却」といった基準をノートなどに記録しておく。

売却の戦略で大切なのは、「自分でルールを決めて、その通りに動く」ことです。

まずは小さなルールから始めてみましょう。

それだけで、資産運用がずっと安心で続けやすいものになりますよ。


では次に、教育費・住宅ローン・老後資金など、40代の子育て世帯が避けて通れない大きなお金の出口について、どのように向き合えばいいのかを一緒に見ていきましょう。

40代子育て世帯ならではの出口戦略

教育費・住宅ローン・老後資金という3つの大きな支出が同時期に重なりやすいのが、40代子育て世帯の大きな特徴です。

だからこそ、無理なく乗り越えるためには、計画的で現実的な「出口戦略」が欠かせません。

この章では、40代子育て世帯が向き合うこれら3つの支出について、どのように優先順位をつけ、どんな順番で準備していけばよいのかをわかりやすく整理していきます。

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

教育費の出口戦略

教育費は、必要な時期が決まっているため、計画通りにいかないと焦りやすい支出です。

ここでは、「大学入学時点で目標通り、教育資金を準備できた場合」、「大学入学時点で目標に届かなかった場合」の2つのケースを考えてみましょう。

すでに目標金額に達しているなら、これ以上リスクにさらさず、安全資産(預貯金や定期預金など)に移すのが基本となります。

教育費は、絶対に支払いが必要な支出なので、「運用で増やす」より「減らさない」ことが大事です。

具体的には、大学入学時までに550万円貯める目標を立てていて、550万円に到達した場合、すべてを銀行の普通預金や定期預金へ移します。

私ならこうする!

私なら、教育費が目標に届きそうになった段階で「一気に売却」ではなく、3〜5年かけて段階的に売っていくようにします。例えば、子どもが中学3年生の頃に目標金額に届きそうなら、毎年少しずつ売却して現金や定期預金に移し替えるイメージですね。

こうすることで、急な相場の下落に巻き込まれるリスクを減らせますし、「もっと増やせるかも」という欲と「暴落で減ったらどうしよう」という不安の両方をコントロールできます。

教育費は期限が決まった支出なので、『増やす』より『減らさない』ことを最優先にした出口戦略を意識しています。

足りない分を「どう埋めるか」を冷静に判断することが大切です。

教育費の目標額を達成できなかった場合は、次の順番で考えてみて、足りない分をどう埋めるか判断しましょう。

教育費が足りないときの考え方

  1. 不足額の確認:目標に対してあといくら足りないのかを数値で把握する。
  2. 資金源の検討
    • 余裕資金(預貯金や投資資産)から一部補填
    • 奨学金を活用(無理のない範囲で)
    • 老後資金や住宅ローンの繰上返済用の資金を取り崩す
  3. 老後資金や住宅ローンとのバランスを考える:教育費の不足分を補うために、老後資金や住宅ローン繰上返済用の資金を全て崩してしまうと、将来困窮してしまう可能性が高まります。「どの資産を優先するか」を家族で話し合いましょう。

ポイントは「数字で足りない分を確認 → どこから出すか決める → 家計全体のバランスを考える」という3ステップです。

例えば、目標550万円に対して、大学入学時点で450万円しか用意できなかった場合、不足分100万円は奨学金を大学卒業後15~20年で返す計画で補うといった具合ですね。

教育資金が不足するからといって、老後資金を大きく取り崩してしまうと、将来自分たちの生活が苦しくなり、結局は子どもに経済的な負担をかけてしまう可能性があります。

また、住宅ローンの繰上返済用の資金を取り崩し、教育費に資金を集中させてしまうと、返済が長期化して家計が不安定になることもありえます。

そのため、「教育資金が足りなかった場合に、どこまで他の資産を充てるか」「老後資金や繰上返済のために残すお金は、どのくらい確保しておくのか」について、夫婦でしっかり話し合うことがとても大切です。

例えば、不足額が100万円なら「50万円は投資資産から、残りは奨学金で補う」などといった形で、家計全体のバランスを崩さない配分を家族で検討しておくと安心できるでしょう。

私ならこうする!

私なら、不足分は奨学金を活用して補う選択肢を取ります。老後資金や繰上返済用の資金、余裕資金から取り崩してしまうと、老後や生活の安心が大きく損なわれる可能性があるからです。

奨学金には無利子や低金利の制度も多くあり、子ども自身が将来の返済を通じて「学費の価値」を実感するきっかけにもなります。

もちろん、借りすぎが負担になることも事実です。しかし、必要最小限を奨学金で補い、残りを準備した教育資金から段階的に取り崩すことで、家庭全体の資産バランスを保つのが現実的だと考えます。

教育費の出口戦略は、次の4ステップで考えるとよいでしょう。

教育費の出口戦略を考えるための4ステップ

  1. いくら必要かをはっきりさせる:大学に入るときに必要な「入学金」と「4年間の学費」を紙に書き出して合計を出しましょう。
  2. 今どのくらい準備できているかを確認する:目標金額に対して「今あるお金が何割くらいなのか」をチェックします。
     例:550万円の目標に対して450万円ある → 82%達成。
  3. 足りない分をどうするか考える:足りない分を「余裕資金」「奨学金」「老後資金や繰上返済用の資金」などでどう準備するか、家族で話し合って決めます。
  4. 家族のルールを決めておく:「高校2年生から毎年少しずつ売却する」や「不足分は奨学金で補う」など、家族でわかりやすいルールを作っておきましょう。

ポイントは、「必要額を出す → 今の達成度を確認 → 不足分をどう準備するか考える → ルール化する」の4ステップです。


教育費が目標に届かなくても、悲観する必要はありません。

奨学金という選択肢を上手に活用すれば、家庭の資産を守りつつ子どもの進学を支えることができます。

大切なのは、事前にできるかぎりの準備をし、「必要最小限だけ借りる」、そして「返済計画を立てる」こと。

ぜひ、奨学金制度を調べて、家族で話し合うことから始めてみましょう。

住宅ローン繰上返済 vs 投資

住宅ローンの繰上返済は、「将来払うはずだった利息を減らせる」ため、確実に家計がラクになる方法です。

いわば、リスクのない節約効果と考えると分かりやすいでしょう。

一方で、そのお金を投資にまわすと、ローンの金利よりも大きな利益を得られる可能性もあります。

ただ、投資には値動きのリスクがあるので「必ず増える」とは限りません。

では、どちらを選ぶべきなのでしょうか?

どちらを選択するかについての判断の目安は、とてもシンプルで、「住宅ローンの金利」と「投資で期待できる利回り」を比べることです。

どちらを選ぶかについての判断の目安

  • ローン金利が高くて、投資のリターンよりも大きいなら → 返済を優先
  • ローン金利が低くて、投資のリターンが見込めるなら → 投資を優先

例えば、以下のような場合を考えてみましょう。

  • 住宅ローンの金利が 1.5%
  • 投資で期待できるリターンが 3%

この場合、投資を続けた方がお金は効率的に増えやすい、という判断ができます。

ただし、「借金があると不安」という心理的ストレスが強い方は、なるべく繰上返済を優先しましょう。

私ならこうする!

私なら、ローン金利が2%未満であれば、すぐに繰上返済はせず、投資を優先します。なぜなら、インデックス投資(S&P500など)であれば、長期的に年6%以上のリターンを期待できるからです。

ただし、住宅ローン金利が高い(2%以上)場合は、繰上返済を優先します。その方が私自身、安心して日々の生活を送れると考えているからです。結局は、「数字で得を取るか」「安心感を取るか」のバランスだと考えています。

『 繰上返済 or 投資 』を判断するためには、次の4ステップで考えるとよいでしょう。

『 繰上返済 or 投資 』判断するための4ステップ

  1. ローン金利を確認する:自分の住宅ローンの金利が何%なのかをまず把握する。
  2. 投資リターンの目安を調べる:myINDEX「資産配分ツール」などで年率リターンを調べる。
  3. 繰上返済シミュレーションを行う:銀行サイトで繰上返済シミュレーションを行い、「返済した場合の利息削減額」を数字で確認する。
  4. 夫婦で話し合う:「経済的な得」を優先するか、「安心感」を優先するか、家族で納得できる結論を導き出す。

住宅ローンを繰上返済するか投資を続けるか、その判断に絶対的な正解はありません。

数字だけで見れば投資の方が有利なこともありますが、心の安心感はお金に換算できません。

大切なのは、自分たちに合った答えを選ぶことです。

まずは、金利と投資リターンを比べるところから始めてみましょう。

それだけで、迷いはぐっと減り、安心して決断できるようになるはずです。

老後資金の取り崩し

老後資金は、退職後に一気に売却するのではなく、運用を続けながら計画的に取り崩すのが基本です。

取り崩し方には、主に2つの方法があります

取り崩し方法の2つのタイプ

  1. 定額取り崩し:毎月「決まった金額」を取り崩す方法です。
    • メリット:収入が安定するので、生活設計が立てやすい。
    • デメリット:相場が下がっても一定額を取り崩すので、資産が早く減るリスクがある。
  2. 定率取り崩し:資産残高に対して「決まった割合(例:4%)」を取り崩す方法です。
    • メリット:資産の寿命を延ばしやすい。
    • デメリット:相場が悪いと取り崩し額が減るため、毎月の収入が安定しない。

老後の資産の取り崩し方としては、基本的に「定率取り崩し」を選ぶべきだと私は考えています。

理由は、定率方式なら「資産が減ったときは取り崩し額も自然に減る」仕組みになっているため、資産の寿命を延ばしやすいからです。

一方の定額方式では、相場が悪い時でも同じ金額を取り崩すため、資産が急激に減ってしまうリスクがあります。

そのようなリスクを最小化するために、定率方式がよりベストな選択肢となるのです。

もちろん、毎月の収入が一定でないと不安に感じる方もいるでしょう。

しかし、年金収入がある日本の家庭では、「年金+定率取り崩し」という形で安定と柔軟性を両立させるのが現実的といえます。

私ならこうする!

私なら、リタイア後の生活では公的年金だけでは足りない分を「負担の少ない仕事」と「資産の4%を定率で取り崩す」方法で補うことを基本にします。例えば、老後資金が2,000万円ある場合、毎年4%(2,000万円×4%=約80万円)を取り崩し、年金や労働収入と合わせて生活費に充てるイメージです。

また、80歳以降は介護費用が大きくかかる可能性があるため、定年退職後も負担の少ない仕事や資産運用を継続しつつ、80歳になるまでに資産を減らしすぎないことを意識します。そうすることで、安心して生活費を補いながら、将来の不安にも備える予定です。

必要な老後資金の金額を把握し、取り崩し方を決めるためには、次の4ステップで考えるとよいでしょう。

必要な老後資金の把握とその取り崩し方を決めるための4ステップ

  1. 老後の生活費を計算する:毎月いくら必要かをノートなどに書き出し、「年金でまかなえる分」と「不足分」を合わせて記入。
  2. 取り崩しのタイプを決める:「定率/定額」、どちらかを決める。基本的に「定率」を推奨。
  3. 必要な老後資金の金額を把握する:毎月の「不足分」から、必要な老後資金を割り出す。例えば、毎月10万円不足で、4%の定率取り崩しなら、老後資金は3,000万円必要。(想定利回り4%)
  4. 定期的に見直す:インフレによる生活費の増加に合わせて、1〜2年に一度調整する。

この4ステップをもう少し具体的に説明しましょう。

まずは、毎月の生活費を書き出します。

例:毎月の生活費は25万円

このうち、公的年金で15万円をまかなえるとすると、不足分は10万円になります。


取り崩しには「定額」と「定率」の2種類がありますが、基本的には資産を長持ちさせやすい定率を選びます。

例:年に資産の4%を取り崩すルールを設定。


不足分(月10万円=年間120万円)を、年4%の定率取り崩しでまかなうとすると、必要な老後資金は次の通りです。

120万円 ÷ 0.04 = 3,000万円

つまり、年金で不足する分を補うには、3,000万円の老後資金が必要という計算になります。

この老後資金3,000万円を、年率リターン4%で運用しつつ、毎月4%ずつ取り崩していくイメージです。


一般的に、インフレが進むと生活費は少しずつ増えていきます。

同じ生活をしていても、食費・保険・光熱費などの値上がりによって、出ていくお金が増えるからです。

例えば、これまで月25万円で暮らしていた家庭が、物価上昇の影響で月27万円かかるようになったとします。

この場合、毎月2万円の生活費アップが発生し、もし年金収入が変わらなければ不足分は月12万円に広がることになります。

このように、想定していた支出と実際の支出に差が出てくるのは珍しいことではありません。

だからこそ、年に1〜2回は家計と資産の状況を見直し、必要に応じて「取り崩す額」や「資産配分」を調整していくことが大切です。

長い老後期間を安心して乗り切るためにも、無理のない範囲で柔軟に見直していきましょう。


老後資金の取り崩し方に、絶対的な正解は存在しません。

大切なのは、自分や家族のライフスタイルに合った方法を見つけることです。

公的年金と定率取り崩しをうまく組み合わせれば、「使いすぎて不安」「使わなすぎて我慢」といったストレスを減らせます。

まずは、自分の生活費と資産額をざっくり計算することから始めてみましょう。

まとめ

今回の記事では、40代子育て世帯が抱える「売るタイミング」の悩みを解消するための具体的な戦略について詳しく解説してきました。

今回の記事の重要ポイントは、次の4つです。

本記事の重要ポイント4つ

  • 3つの売却タイミング:ライフイベントにおける資金確保、ポートフォリオ最適化、投資方針を変えるとき
  • 実践的な売却戦略:一度に売らずに分けて売る工夫と、NISA口座や課税口座の順番を意識した売却
  • 感情に左右されないルール作り:あらかじめ「数字で決めたルール」を用意しておくこと
  • 40代特有の出口戦略:教育費・住宅ローン・老後資金の優先順位付けと具体的取り崩し方法

記事で紹介した判断基準とルールを実践すれば、市場の変動に惑わされず、自信を持って投資の出口戦略を実行できるでしょう。

まずは、今のご自身のお金の状況をゆっくり整理するところから始めてみましょう。

預貯金、投資額、住宅ローンの残高、そして今後予定しているライフイベント(子どもの進学費用や車の買い替えなど)を、ノートやメモアプリに書き出してみてください。

書き出すだけでも、「どこに備えが必要なのか」が驚くほどクリアになります。

さらに、「もし今、資産が20%下がったらどう動くか?」 のように、自分なりのルールを一つだけでも決めておくと、実際に相場が動いたときに慌てずに済みます。

たった一つのルールでも、将来の不安をぐっと小さくしてくれる「心の支え」になります。

少しずつで大丈夫です。

今日の小さな一歩が、これからの大きな安心につながっていくでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


[筆者プロフィール]
40代男性。妻1人、子ども3人(6歳、5歳、2歳)の5人家族。本業年収は300万円前後。2018年1月に貯金500万円から資産形成を開始。約6年で純資産3,150万円を達成(2024年11月時点)。iDeCo、新NISA、投資信託、株式投資、暗号資産などを勉強しながら運用中。過去にハウスクリーニング、現在は暗号資産エアドロップで副収入を得ている。自身の低年収・子育て世代での経験をもとに、再現性の高い資産形成ノウハウやお金に関する思考法・習慣、投資の実践方法、リアルな資産状況などを、同じような悩みを持つ方々の力になれるよう、等身大の言葉で情報をお届けします。

[免責事項]
本記事は、筆者の個人的な経験や見解に基づいた情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れなどのリスクが伴います。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断と責任において行ってください。また、税制や制度に関する情報は変更される場合がありますので、最新の情報をご確認ください。

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