「ビットコインに投資をしたいけど、そもそもどういったものなの?」
「よくわからないので、怖くて投資を始められない」
「ビットコインに将来はあるの?」
などと思っている方は多いと思います。
このような疑問を解決するために、ビットコインの価値や仕組み、歴史、今後の将来性などについて解説していきます。
ビットコインとは?
ビットコインとは、インターネットを通して、流通する暗号資産(仮想通貨)の一種です。
電子マネーとよく似ていますが、全く異なるものです。
電子マネーは、特定の企業や銀行などが管理・発行を行う中央集権型の電子通貨ですが、ビットコインは違います。
ビットコインは、ブロックチェーン技術が用いられ、ネットワーク上に分散させて管理を行う非中央集権型の通貨です。
電子マネーというよりも、金(ゴールド)と同じような特徴を持っており、デジタルゴールドと呼ばれることのほうが多いです。
ビットコインの価値
2021年、ビットコインは史上最高値を更新し、一時6万8,500ドルの値をつけました。
2018年に3,700ドルの安値をつけてから、3年でおよそ18倍も値上がりしたことになります。
史上最高値の更新後、調整局面に入り、2022年2月23日時点の時価総額は、約7,226億ドル(83兆1,626億円)あたりを推移しています(CoinMarketCap「時価総額ランキング」参照)。
ここまで、人気化したのはなぜでしょうか?
理由は、主に次の3つの価値によるものであると考えられます。
- 希少性
- 価値の保存機能
- 便利な交換機能
一つ目は、ビットコインが持つ希少性です。
ビットコインの発行上限は、2,100万枚までと決められており、採掘(マイニング)されつくすのは、2140年と想定されています。
ビットコインは、各国中央銀行が発行する法定通貨のように、自由に発行枚数を増やすことができないため、通貨価値の下落が生じにくい設計となっています。
さらに、4年に一度、半減期(ビットコインのマイニング報酬を半分にするイベント)を迎えるごとに、埋蔵量が減っていきますので、ビットコインの価値は理論的には上昇していきます。
このことが、ビットコインの希少性を高め、多くの人々を惹きつける要因となっているわけです。
二つ目は、ビットコインの価値の保存機能です。
価値の保存機能(資産の保存)とは、金(ゴールド)などの貴金属のように、減価せずに長期にわたって価値を保つことをいいます。
希少性と価値の保存機能があるがゆえに、ビットコインはデジタルゴールドと呼ばれているわけです。
価値を保ってくれる資産のため、投資家は安心して投資することができるのです。
しかし、どうやってこのような価値の保存機能を維持しているのでしょうか?
答えは、「高い分散性」と「強固なセキュリティ」です。
ブロックチェーンネットワーク上で取引を承認する「マイナー」が多数参加し、暗号技術を用いてマイナー同士で競い、検証し合いながらデータを蓄積することにより、強固なセキュリティを実現しています。
取引データを蓄積する性質上、採掘(マイニング)の難易度は日を重ねるごとに上がっていくことにもなります。
ちなみに、ビットコインの情報は、これまで一度も改ざんされたことがなく、現時点の科学技術では実質的に改ざん不可能であるとも言われています。
今後、ビットコインを採掘(マイニング)する難易度が上がることを考えると、セキュリティはさらに強固になっていくことが予想されます。
そうなると、価値の保存機能はますます高まり、投資家にとってより魅力的な資産となるでしょう。
三つめは、ビットコインの交換機能です。
ビットコインは、暗号資産取引所に口座開設すれば、世界中の誰でも簡単に購入することができます。
さらに素晴らしいのは、 スマホとウォレットアプリ(ビットコインの財布のようなもの)があれば、ビットコインの送金や受取を、世界中の誰とでも簡単に行うことができるということです。
このことが、ビットコインを世界中に広めた大きな要因のひとつであるといえます。
ビットコインの仕組み
ビットコインは、P2Pネットワーク上でブロックチェーンと呼ばれる技術を用いることによって、取引されます。
P2Pネットワークとは、接続された複数のコンピュータ同士で通信する方式で、中央集権サーバが存在しないことが特徴です。
中央集権サーバが存在しないため、ビットコインの取引データは、接続された世界中のコンピュータに分散的に保存されています。
ブロックチェーンとは、暗号技術を用いて取引データをチェーン(鎖)のようにつないで蓄積する仕組みです。
過去のビットコインの取引データが、すべて記載された公開台帳のようなものですね。
つまり、ビットコインの仕組みとは、世界中の分散しているコンピュータ同士で、取引データを鎖のようにつないで蓄積していく仕組みということです。
誰が取引データをブロックチェーン上に追加しているの?
送金記録や受取人などの取引データは、誰がブロックチェーン上に追加しているのでしょうか?
答えは、マイナー(発掘者)と呼ばれる存在です。
マイナーは、送金金額や受取人などの複数の取引データ(トランザクション)を1ブロックにまとめ、ブロックチェーンの末尾に追加をしていきます。
この作業をマイニングと呼び、マイニングに一番最初に成功したマイナーは、報酬として一定額のビットコインを受け取れます。
マイナーがマイニングを成功させる具体的手順は、以下のようになります。
- ナンス(Number used once)と呼ばれるブロックをつなぐためのパスワードのようなものを、膨大な量の計算により探し出す
- 最初に見つけたマイナー以外のネットワーク参加者たちが、そのナンスが正しいものかどうかを検証する
- 発見されたナンスが正しいものと認められると、ブロックチェーンに新たなブロックが繋げられる
つまり、ナンス(一度だけ使用される使い捨ての数字)を一番最初に見つけたマイナーに、マイニング報酬であるビットコインが贈られるというわけです。
ちなみに、ビットコインでは、約10分毎にマイニングによって複数の取引を含む新しいブロックがブロックチェーンに追加されるように計算難易度が調整されています。
そして、4年に一度の半減期を迎える毎に、マイニング報酬は半分に減らされるように設定されています。
2022年現在までに、マイニング報酬は「50→25→12.5→6.5BTC」と予定通り減少してきており、半減期は2140年まで継続されると予想されています。
ビットコインウォレットとビットコインの送金方法
ビットコインを送金するには、まずは自身のウォレットを作成する必要があります。
ウォレットを作成すると、自動的に「秘密鍵」が作られ、その秘密鍵を基に「公開鍵」が作られ、その公開鍵を基に「ビットコインアドレス」が作成されます。
ビットコインアドレスとは、「銀行の口座番号」 のようなものです。
秘密鍵とは、 「暗証番号」のようなものです。
「送金先(相手)のビットコインアドレス」を指定し、「送金元(自分)の秘密鍵」により署名することで、ビットコインを送金することができます。
暗号資産取引所で口座開設すると、ウォレットが自動的に作成され、比較的安全に保管することができますので、おすすめです。
もちろん、自分でウォレットを作成することもできますが、秘密鍵をハッキングなどで盗まれないよう対策する必要があります。
秘密鍵を盗まれると、ウォレット内の資産をすべて盗まれてしまうことになりますので、厳重に管理をするようにしましょう。
コンセンサスアルゴリズム
コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックを追加する際のルールとなるコンセンサス(合意)形成を行うアルゴリズム(方法)のことです。
例えば、ビットコインのコンセンサスアルゴリズムは、 PoW(プルーフオブワーク)と呼ばれるものです。
PoWとは、上で説明したような「マイニングをすることで、ブロックチェーンに新たなブロックを繋げていく方法」のことを言います。
さらに、コンセンサスアルゴリズムは暗号資産によってそれぞれ異なります。
例えば、イーサリアムはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用予定、リップルはPoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)、ソラナはDPoS(デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク)、 ポルカドットはNPoS(ノミネーテッド・プルーフ・オブ・ステーク) をそれぞれ採用しています。
暗号資産は、このコンセンサスアルゴリズムに沿って運用されているんですね。
アルトコイン
暗号資産には、ビットコインの他に、2,000種類以上もの数のアルトコインが存在します。
アルトコインとは、Alternative Coin(代替のコイン)の略で、ビットコイン以外の暗号資産の総称です。
ビットコインと仕組みが同じものもありますが、目的や仕組みが異なるアルトコインも多く存在しています。
代表的なものに、イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)、バイナンススマートチェーン(BNB)、ソラナ(SOL)、エイダコイン(ADA)などがあります。
例えば、イーサリアムは、スマートコントラクト機能を備え、dApps(分散型アプリケーション)を容易に実装できる暗号資産です。
2020年の暗号資産バブル以後、利用者が急増しているDeFi(分散型金融)レンディングやDEX(分散型暗号資産取引所)やNFTなどは、そのほとんどがイーサリアムのブロックチェーン上で稼働しています。
また、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムは、PoS(Proof of Stake)を採用する予定です。
PoSとは、持っている暗号資産の割合によって、取引の承認や新しいブロックを生成する権利を獲得しやすくする仕組みです。
もっとわかりやすく言えば、PoSとは「イーサリアムを多く持った人が承認作業やブロック生成による報酬を得やすくなる仕組み」ということです。
PoW(Proof of Work)に比べ、環境にやさしいコンセンサスアルゴリズムといわれています。
その他にも、国際送金を高速かつ低コストで実現させる目的で開発されたリップル(XRP)も将来有望視されています。
また、イーサリアムと同じような機能を高速かつ低コストで実現するバイナンススマートチェーンやソラナ、エイダコインなども急速に伸びてきています。
ビットコインの歴史
ビットコインは、2008年10月にサトシ・ナカモトと名乗る人物により発明されました。
その約2か月後の1月3日にビットコインの運用が開始されました。
2010年5月には、アメリカ・フロリダ州でプログラマーがピザ2枚を1万ビットコインで購入したのが、最初の取引だと言われています。
1万BTCは、現在の価値で459億円(2022/3/13時点)です。
当時のピザ1枚の価格を現在の価値に換算すると、およそ230億円になります。
その後、2016年には2度目の半減期、2020年には3度目の半減期を迎え、そのたびにBTCの価格は上昇していきました。
現在では、時価総額が約87兆円にまで膨れ上がり、今後も法整備が進むにつれて、より多くの世界中の投資家やさまざまな国際機関に受け入れられることが予想されます。
今後、どれほど価値が上昇していくのか、楽しみですね。
ビットコインの将来性
上の図は、テクノロジーのライフサイクルとしてよく知られているグラフです。
簡単に言うと、革新的なサービスや製品がどのように普及していくかを表したグラフです。
ビットコインは現在、「アーリーアダプター」層から「アーリーマジョリティ」層への移行期にあると考えられます。
つまり、新しい商品やサービスなどを早期に受け入れ、消費者に大きな影響を与える「アーリーアダプター」から、取り入れた商品やサービスを市場に浸透させる役割を担う「アーリーマジョリティ」へと移行している最中というわけです。
特に、「アーリーマジョリティ」層にサービスや製品が行き渡ることは、テクノロジーの普及にとって非常に重要です。
「アーリーマジョリティ」層に受け入れられれば、爆発的にビットコインが普及する可能性が高くなるためです。
しかし、その壁(キャズム)を超えるのは容易ではありません。
将来のビットコインの運命は、この壁(キャズム)を超えられるかどうかにかかっているといえます。
私自身は、ビットコインがこの大きな壁をなんなく超え、世界中に普及するだろうことを信じていますので、ガチホールドしていきたいと考えています。
信じるか信じないかは、あなた自身です。
まとめ
ここまで、ビットコインの価値や仕組み、歴史について解説してきました。
最後に、「ビットコインとは?」についてまとめておきます。
「ビットコインとは?」
- 非中央集権型の通貨で、デジタルゴールドと呼ばれている
- 価値は、「希少性」「価値の保存機能」「強固なセキュリティ」にある
- 「P2Pネットワーク上でブロックチェーン技術」を用いる
- 「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」を採用
- 送金には「ビットコインアドレス」と「秘密鍵」が必要
- マイナーは、取引データをまとめたブロックを繋げていき、報酬としてビットコインを受け取る
- ビットコインの将来は、「アーリーマジョリティ」層に広まるかどうかにかかっている
ビットコインは、技術的には素晴らしいものであり、その技術をもとにさまざまなサービスがどんどん生まれてきています。
今後、「どのような進化を果たしていくのか」、はたまた、「世の中に受け入れられず、消えてなくなるのか」...
考えるだけでワクワクしますね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、また会いましょう!