資産形成

【40代子育て世帯】が知っておくべき『良い借金』と『悪い借金』の見極め方 - 健全な家計でも借金すべき3つのケース

Good debt and bad debt 8

40代になって、仕事でも家庭でも責任が重くなる中、お金のことで頭を悩ませる人は少なくありません。

「子どもの教育費、これからどれくらいかかるんだろう…」

「マイホームが欲しいけど、住宅ローンって本当に大丈夫?」

「親の介護のことも考えないといけないし…」

「老後の貯金、2,000万円も必要って本当?」

そんな不安を抱えながらも、「借金は絶対に悪いもの」「真面目な家計なら借金なんてするべきじゃない」と思い込んでいませんか?

実は、私も20代・30代の頃はそうでした。

どんなに苦しくても、借金だけは絶対にしない...と決めていたんです。

だからこそ、その気持ちは痛いほど分かります。

けれど、その考え方が家族の将来の可能性を狭めているとしたら...?


この記事では、以下の内容について詳しく解説していきます。

本記事の内容

  • 良い借金と悪い借金を見極める3つの判断基準
  • 住宅ローン、奨学金、車のローンの具体的な分析事例
  • 健全な家計でも借金すべき3つの限定ケース
  • 借金で失敗しないための5つのチェックリスト

40代は、人生の中で最も大きなお金の決断をする時期です。

住宅ローンを最長35年で組める最後のチャンス、子どもの教育費がピークを迎える時期、そして失敗した時の立て直しがほぼ不可能な「後戻りできない現実」。

だからこそ、感情ではなく、数字と論理に基づいた正しい判断基準が必要です。

この記事を読み終える頃には、きっと次のような変化が感じられるはずです。

本記事で得られるもの

  1. お金の不安の正体が分かる:漠然とした不安の原因を知り、具体的な解決策が立てられます。
  2. 良い借金と悪い借金が分かる:どんな借金なら安心で、どんな借金は避けるべきかが判断できます。
  3. 人生の大きな決断に自信が持てる:家の購入や子どもの教育で、自信を持って最適な判断できるようになります。
  4. 借金を味方にできる:借金を恐れるのではなく、家族の夢を叶える手段として使えます。
  5. 夫婦でお金の話ができる:パートナーと一緒に、安心して将来設計ができるようになります。

長い間、「借金=悪いもの」と信じていた考えを今日から少しだけアップデートしてみませんか?

大事なのは、誰かの意見ではなく、あなた自身の判断基準を持つことです。

営業トークにも流されず、周りの意見に惑わされず、自分の頭で考えて「家族にとって一番良い選択」ができるようになる――。

そのためのヒントを、ここから一緒に学んでいきましょう。

「借金は悪いもの」という思い込みを変えよう!

40代になって、仕事でも責任が増え、子どもの成長も楽しみな毎日。

しかし、ふとお金のことを考えると、漠然と不安になることはありませんか?

子どもの教育費...住宅ローン...親の介護...老後資金...

こんな不安があるとき、「借金」という言葉を聞くと、どう思いますか?

多くの人は次のように考えがちです。

多くの人が考えがちな借金とは?

  • 絶対に避けるべきもの
  • 家計を壊すもの
  • 失敗した人がするもの

真面目に家計管理をしている人ほど、そう思ってしまうかもしれませんね。

私もかつてはそうでした。

年収300万円台で妻と2人で暮らしていた頃、「たとえどんなに苦しくても、借金だけは絶対にするまい」と固く心に誓っていたのです。

毎月の給料日には安堵し、月末には通帳の残高とにらめっこする日々。

借金なんて、自分とは無縁の世界の話だと思っていました。

しかし、その「借金は悪いもの」という考え方が、あなたの家族の将来の可能性を狭めているとしたら?

借金を上手に使って、家族をもっと豊かにする方法があるとしたら、知りたくありませんか?

この記事は、まさにそんな家族思いで、将来に漠然とした不安を抱える40代子育て世帯のあなたに向けて書いたものです。

実際に、資産形成に成功している多くの家庭では、「良い借金」を戦略的に活用しています。

教育費、住宅、ビジネス投資など、将来のリターンが期待できる分野では、適切な借入れが家計を大きく改善する可能性があるのです。

今回の記事では、そんな「お金の常識を変える」具体的な方法を分かりやすくお伝えしていきます。


さあ、準備はよろしいでしょうか?

長い間、「借金は怖いもの」と思っていた考えを変えて、家族の明るい未来を作るための新しい方法を一緒に学んでいきましょう。

「良い借金」と「悪い借金」の正体

いきなりですが、この記事で最も大切なポイントをお伝えします。

40代の子育て世帯が、「この借金をしていいのか?」と迷った時の判断基準は、実はとてもシンプルです。

それは、たった一つの質問に答えるだけ。

「その借金は、将来の自分や家族にとってプラスになるか?」

これだけです。

もっと分かりやすい言葉にしてみましょう。

『良い借金』と『悪い借金』の正体

  • 将来の自分や家族を「楽にしてくれる」のが『良い借金』
  • 「今欲しいだけ」で、将来の自分や家族を「苦しめる」のが『悪い借金』

このシンプルな基準を心に持っておくだけで、これから様々なお金の場面で迷うことが大幅に減ります。

営業マンの上手な話に騙されることも、周りの人の意見に流されることもなく、あなた自身でしっかりと考えて、家族にとって一番良い選択ができるようになるのです。

なぜ、40代の「今」この判断が人生を左右するのか?

なぜ、40代の借金判断が人生の分かれ道になるのでしょうか?

それは、40代という年代には、他の世代とは全く違う3つの厳しい現実があるからです。

40代の3つの厳しい現実

  1. 時間の猶予がほとんどない「タイムリミット」
  2. お金の出入りが人生で最も激しくなる「お金の嵐の時期」
  3. 失敗した時の立て直しがほぼ不可能「後戻りできない現実」

40代は、住宅ローンを最長35年で組める最後の年代です。

多くの銀行が80歳での完済を条件とするため、これを逃すと借入期間が短くなり、毎月の返済額が大幅に増えてしまいます。

また、お子さんの教育費が最も重くのしかかる時期も目前です。

老後資金の準備も、20代・30代のように「時間をかけてゆっくり」というわけにはいきません。

つまり、40代の子育て世帯には、「時間」という最も貴重な武器を最大限に活かす戦略的な判断が求められているのです。

厚生労働省のデータでは、給料は40代後半から50代後半がピークとされています。

加えて、子どもの教育費、住宅費、親の介護費用などの支出が人生最大になるのもこの時期です。

つまり、40代の子育て世帯は、家計に入ってくるお金と出ていくお金が最も激しく動く時期なのですね。

この激動期の借金の使い方が、50代以降の生活の質を決めてしまうといっても過言ではありません。

もし、20代で無謀な借金をして失敗したとしても、その後40年以上働いて稼ぐ時間があるため、十分に取り戻すことは可能です。

しかし、40代で数千万円の「悪い借金」を背負ってしまったらどうでしょう?

定年までの限られた時間で、その穴を埋めるのはほぼ不可能です。

最悪の場合、老後破産に直結してしまいます。

だからこそ、借金一つ一つに対して、今まで以上に慎重に「見極める力」が必要になるのです。

これらの厳しい現実を踏まえ、借金を以下の3つの視点で冷静に判断することをおすすめします。

『良い借金』と『悪い借金』を見分ける3つのポイント

  1. 将来価値:その借金で買うものは、将来的に価値が残るか、上がる可能性があるか?
  2. 金利とメリット:借金の金利は、将来得られる利益(お金・生活の質など)に比べて十分に低いか?
  3. 家計への貢献:その借金は、将来の収入を増やしたり、生活費を減らしたりすることに役立つか?

この3つのポイントを念頭に置きながら、次の章で具体例を詳しく見ていきましょう。

あなたのその借金はどっち?具体的なケースで徹底解説

あなたの身の回りの「借金」がどちらに分類されるか、次の3つの具体例を見ながら、一緒に考えてみてください。

具体例①|住宅ローン

Aさん(42歳・会社員・年収700万円)、配偶者(40歳・パート・年収120万円)、長男(10歳・小学4年生)、長女(7歳・小学2年生)。

現在の家賃は、月々17万円(3LDK・賃貸マンション)で、子ども部屋が手狭になったこと、学区を変えたくないことから、同じ学区内にある築10年の中古マンションの購入を検討しています。

物件価格は3,500万円。

自己資金(頭金)300万円を入れ、3,200万円の住宅ローン(35年・変動金利0.8%)を組むことに。

1. 将来も価値が残るか?

購入を検討している物件は、最寄り駅から徒歩8分で、3年後には駅前に大型商業施設の建設計画があるエリア。

このような立地の良い物件は、築年数が経過しても値段が大きく下がりにくい特徴があります。

仮に15年後に転勤などで売却することになっても、ローンの残り(約1,930万円)を大きく下回る価格になる可能性は低いでしょう。

これは「価値が残りやすい」と言え、最悪の場合でも「借金」ではなく「財産」として手放せる可能性が高いことを意味します。

2. 金利は安いか?得はあるか?

変動金利0.8%は、過去と比べても非常に低い金利です。

月々の返済額は約8.7万円。

管理費や修繕積立金、駐車場代を合計した金額を約4万円と仮定。

固定資産税が年間約24万円(月々2万円)と仮定すると、月々の住居費は約14.7万円です。

現在の家賃17万円よりも、月々2.3万円安くなりますね。

さらに見逃せないのが「団体信用生命保険(団信)」です。

これは、Aさんに万が一のこと(死亡など)があった場合、ローンの残りがゼロになるという保険。

つまり、家族には借金のない家が残されるのです。

これは数千万円の死亡保障がある生命保険に加入するのと同じ効果があり、「低い金利で大きな安心が買える」と言ってもよいでしょう。

3. 家計は楽になるか?

まず、月々の住居費が17万円から約14.7万円に下がるため、差額の2.3万円(年間約27.6万円)を子どもの教育資金や老後資金として貯蓄やiDeCo、NISAでの投資に回すことができます。

これは、「将来の家計を直接プラスにする」効果を与えてくれるでしょう。

加えて「住宅ローン控除」により、年末のローン残高の0.7%(最大で年間14万円・10年間)が所得税・住民税から戻ってきます。

これも手元のお金を増やす効果があり、Aさん一家の家計は強力にサポートされるでしょう。

Aさん一家の住宅ローンは、「1.将来価値が残る、2.金利が安い、3.家計が楽になる」という3つの条件をすべて満たしており、『良い借金』である可能性が高いです。

これは単なる住まいの確保ではなく、家族の財産づくり、リスク管理、そして将来のお金の余裕を高めるための、とても戦略的な「投資」と言えるでしょう。

この住宅ローンは、まさに「お金を借りてお金を作る」典型例だと思います。

家賃17万円を35年間払い続けたら、総額7,140万円も支払うことになりますが、何も残りません。

一方、住宅ローンなら総支払額は、約3,670万円(変動金利はずっと0.8%以下を想定)で済み、しかも最後には価値のある不動産が手に入ります。

さらに注目すべきは、「強制貯蓄効果」です。

賃貸では家賃を払っても貯金は増えませんが、住宅ローンは返済するたびにローン残高が減り、実質的に貯金しているのと同じ効果があります。

「借金は怖い」と思う気持ちもわかりますが、この場合は「借金を使って資産を築く」賢い選択だと考えられます。

ただし、『転職や収入減のリスクもある』ので、「住宅費は月収の20%以内に抑える」、「頭金はある程度用意する」など、無理のない範囲で検討することが大切です。

また、「変動金利の上昇」や「リフォーム」などに備えて、専用資金を積立投資などで準備しておくと、より安心して生活できそうですね。

具体例②|車の残価設定ローン

Bさん(45歳・会社員・年収600万円)、配偶者(43歳)、長男(15歳・中学3年生)、長女(12歳・小学6年生)。

現在所有している国産ミニバンが10年目を迎え、車検も近い。

走行に問題はないが、最近キャンプにハマった友人家族が新型の高級SUVに乗り換えたのを見て、「うちもかっこいい車に乗りたい。キャンプ道具もたくさん積めるし」と妻に相談。

妻は、渋々ながら承諾。

ディーラーで「残価設定ローンなら月々の支払いは楽ですよ」と勧められ、頭金なしで500万円のSUVを5年間の残価設定ローン(金利3.5%)で購入することに。

1. 将来も価値が残るか?

自動車は、ナンバープレートが付いた瞬間にその価値が2~3割下がると言われる「消耗品」の代表格です。

特に、高級SUVは新車時から急激に価値が下落(最初の3年で50~60%下落)する可能性が高く、5年後にはさらに下がっていることもあり得ます。

500万円の車が、5年後に200万円の価値も残らないことは、よく聞く話です。

また、残価設定ローンは、『5年後にこの車を200万円で買い取ります』と約束して、500万円の車なら『500万円-200万円=300万円』の部分だけを月々返済する仕組みです。

ですから、月々の支払いは安く見えますが、5年後には次の3つの選択肢しか残りません。

残価設定ローンの最終年の3つの選択肢

  1. 200万円を一括で払って車を自分のものにする
  2. 200万円のローンを新たに借りて、車を自分のものにする
  3. 車を返却する

つまり、5年間お金を払い続けても、追加で200万円払わない限り車は自分のものにならない『長期レンタル』のような仕組みなのです。

5年後にローンを払い終わり、追加で残価の200万円を払って買い取ったとして、資産価値(車の時価)が残価を上回る可能性は低いでしょうから、将来的な価値は限りなく小さいと言えます。

2. 金利は安いか?得はあるか?

金利3.5%は、住宅ローンの0.8%と比べると4倍以上高い金利です。

また、500万円のローンにかかる利息は決して小さくありません。

この借金から得られるメリットは何でしょうか?

それは、「見栄」「一時的な満足感」「最新機能による快適さ」が主でしょう。

もちろん、家族でのお出かけの質が向上するという効果はありますが、それが高い金利と急激な価値下落というデメリットを上回るほどのものか、冷静に考える必要があります。

3. 家計は楽になるか?

この借金は、将来の収入を1円も生み出しません。

それどころか、月々のローン返済、高い自動車税、保険料、駐車場代、ガソリン代など、将来にわたって家計をマイナスにし続ける要因となります。

特に、子どもたちの教育費がこれからピークを迎える時期に、家計の固定費を大きく引き上げてしまうのは、非常にリスクの高い選択です。

Bさん一家の自動車ローンは、典型的な『悪い借金』に分類されます。

価値は残らず、金利は高く、将来の家計を圧迫します。

これは「投資」ではなく、未来の家計からお金を前借りして「今」を楽しむ「浪費」に他なりません。

もちろん、車が生活に必須な地域や仕事で使う場合は別です。

その場合でも、見栄を張らずに、予算内で信頼性の高い中古車を選んだり、より金利の低い銀行のマイカーローンを利用したりする選択肢を検討すべきでしょう。

この車のローンを見ると「お金を借りてお金を失う」典型例だと感じます。

なにより気になるのは、お子さんが15歳と12歳であり、教育費がこれから一番かかる時期だということです。

高校・大学進学を控えた今、月々数万円の車のローン返済は家計を確実に圧迫します。

もし、「友人が買ったから」「かっこいいから」という理由だけで、子どもの将来への投資資金を削っているのであれば、優先順位が間違っていると思います。

私なら、現在の車を大切に乗り続けるか、どうしても買い替えるなら予算200万円以内の信頼できる中古車を現金で購入するでしょう。

見栄よりも、家族の将来を大切にしたいところです。

具体例③|奨学金

Cさん(48歳・会社員・年収650万円)、配偶者(45歳・パート・年収100万円)、長男(18歳・高校3年生)、長女(16歳・高校1年生)。

長男が私立大学の理工学部(年間授業料130万円)への進学を希望。

4年間の学費総額は、約550万円の見込み。

家計からは、1年間に60万円程度しか教育費を捻出できず、不足分を奨学金で補うことを検討。

日本学生支援機構の第二種奨学金(有利子・年利1.912%程度)で月7万円を4年間借りる予定。

総借入額は336万円、卒業後19年間で月々17,724円ずつ返済することを長男と話し合って決定しました。

1. 将来も価値が残るか?

奨学金で得られるのは「大学教育」という「見えない資産」です。

理工学部での専門知識や技術、大学でのネットワークは、一生涯にわたって本人の稼ぐ力を高めてくれます。

統計的に見ても、大学卒業者の生涯年収は高校卒業者と比べて、10~99人規模の中小企業の場合、男性で約3,800万円、女性で約4,200万円多いとされています。(参考:労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計 2024』第21章「生涯賃金など生涯に関する指標」)

1,000人以上の大企業の場合、男性で約6,600万円、女性で約6,500万円とさらに差が広がります。

つまり、336万円の投資で『男性の場合、3,800~6,600万円のリターン』、『女性の場合、約4,200~6,500万円のリターン』が期待できるわけです。

これは、株式投資や不動産投資よりもはるかに確実性の高い「人への投資」と言えるでしょう。

2. 金利は安いか?得はあるか?

第二種奨学金の年利1.912%という固定金利は、住宅ローンの固定金利(フラット35)以下で低い金利です。

336万円借りても、19年間の利息総額は約68万円程度に収まります。

月々17,724円の返済も、大学卒業後の収入から考えれば十分に無理のない金額と言えるでしょう。

これほど条件の良い教育ローンは他にないと言っても過言ではありません。

3. 家計は楽になるか?

奨学金を利用することで、親世代の家計への負担を大幅に軽減できます。

4年間で550万円の教育費を親が全額負担するのは、通常厳しいですが、奨学金を利用すれば親の負担は、年間60万円程度に抑えられます。

これにより、長女の高校・大学費用や夫婦の老後資金も同時に貯めやすくなるでしょう。

そして最も重要なのは、「子ども自身が自分の教育に責任を持つ」という意識が生まれることです。

奨学金返済を意識することで、大学での学びにより真剣に取り組むようになります。

Cさん一家の奨学金は、低金利で確実なリターンが期待でき、家計負担も軽減する「良い借金」の代表例です。

これは単なる借金ではなく、子どもの未来への「最高の投資」と言えます。

ただし、子どもには奨学金の意味と返済責任をしっかりと理解してもらい、大学での学びを無駄にしないよう親子で話し合うことが大切です。

奨学金については「子どもに借金を背負わせるのはかわいそう」と考える親御さんも多いのですが、私は少し違う見方をしています。

確かに借金ではありますが、これは「自分への投資ローン」です。

子ども自身が返済することで、大学教育の価値を実感し、より真剣に学ぶようになるかもしれません。

また、親が無理をして教育費を全部出そうとすると、自分たちの老後資金が足りなくなったり、下の子のお金に影響が出たりする恐れがありますよね?

それよりも、奨学金を上手に活用して家計全体のバランスを保つ方が、結果的に家族全員にとってプラスになるだろうと私は思います。

ただし、借りすぎは禁物です。

卒業後の収入を考えて、月々の返済額が子供の年収の10%以内に収まるよう、計画的に借りることが重要です。

また、可能であれば在学中にアルバイトで少しでも繰り上げ返済を行い、卒業時の借金総額を減らす努力も大切になってくるでしょう。

その他の「悪い借金」の代表例

車のローン以外にも、家計を圧迫する「悪い借金」は数多く存在します。

これらに共通するのは、借りる理由が感情的で、将来の価値が期待できず、金利負担が重いといった点です。

悪い借金の代表例を見てみましょう。

『悪い借金』の代表例

  • 生活費のためのリボ払い・カードローン:金利が年15%前後と非常に高く、一度利用すると元本が全く減らずに利息だけを払い続ける地獄に陥りやすい、「悪い借金」の王様です。生活費の補填などで安易に手を出してはいけません。
  • ブランド品や過度な旅行のためのリボ払い・カードローン:一時的な満足感は得られますが、財産として残らず、将来の家計を悪化させるだけの「浪費」です。
  • ギャンブルのためのリボ払い・カードローン:論外です。これは家計の問題ではなく、依存症という病気の領域であり、専門機関への相談が必要です。

これらの借金に共通するのは、「今すぐ欲しい」という衝動で判断してしまうことです。

借金をする前に一度立ち止まり、「本当に必要なのか」「他に方法はないのか」を冷静に考える習慣をつけましょう。


ここまで読めば、「良い借金」と「悪い借金」を見極めるための「判断基準」が、あなたの心の中にセットされたはずです。

では、いよいよ本題です。

この判断基準を使い、私たち40代子育て世帯が、健全な家計であっても、あえて借金を検討すべき「3つの限定ケース」について深掘りしていきましょう。

健全な家計でも借金すべき「3つの限定ケース」

ここからは、先ほどの「良い借金」の定義に基づき、40代子育て世帯が人生をより豊かにするために、戦略的に活用を検討すべき3つの具体的な借金について、そのメリット、注意点、そして具体的なアクションプランまでを解説していきます。

ケース①|住宅ローン

家を買うなんて博打だ...賃貸の方が身軽で気楽でいいじゃないか...。

そう考える人も、きっと少なくないでしょう。

けれど、40代の子育て世帯にとっての住宅ローンは、単なる「住む場所の確保」にとどまりません。

実は、家族の将来に大きなメリットをもたらす可能性があるのです。

あなたは、今支払っている家賃が、生涯でいくらになるか計算したことがありますか?

仮に、月々13万円の家賃を40歳から80歳までの40年間払い続けると、総額は6,240万円にもなります。

相当な金額ですね。

しかも、その6,240万円は、あなたの手元には一切残りません。

一方で、3,200万円の住宅ローンを組んだAさん一家の場合、35年で完済すれば、その家は完全に自分たちの資産になります。

もちろん固定資産税や修繕費はかかりますが、ローン完済後は住居費が劇的に下がるでしょう。

これは、老後のお金の流れにとって絶大な安心感をもたらします。

つまり住宅ローンは、「消えてなくなる家賃」を「将来価値が残る資産」に変換できる極めて強力なツールと言えるのです。

これは、40代の私たちにとって、非常に重要なポイントです。

住宅ローンを組むときは普通、団体信用生命保険(通称:団信)に加入しますので、ローン契約者に万が一のことがあった場合、住宅ローンの残債はゼロになります。

もし、賃貸暮らしで大黒柱のあなたが倒れたら、残された家族は悲しみに暮れる間もなく、収入減の中で家賃を払い続けるか、住み慣れた家を離れて引っ越すかの辛い選択を迫られますよね?

しかし、住宅ローンを組んでいれば、残された家族には、住む家が保障されるのです。

つまり、生命保険で数千万円の死亡保険金を受け取るのと、経済的には同じメリットがあるということですね。

民間の死亡保険を見直して、保険料を削減できる可能性すらありえます。

この安心感は、特に子育て世代にとって、何物にも代えがたいものになるでしょう。

一戸建てなら、近隣住民への騒音をあまり気にせず、子どもがのびのびと過ごせます。

庭で家庭菜園やバーベキューを楽しむこともできるでしょう。

マンションに広いベランダがあれば、ガーデニングや家族の憩いの時間を楽しめます。

気軽に、壁に好きな絵を飾ることはもちろん、DIYで自分たち好みの空間を作ることもできるでしょう。

持ち家は、単なる「箱」ではなく、家族の思い出を育む「城」にすることができます。

一戸建てでもマンションでも、「自分たちの家」という安心感と愛着は、賃貸では得られない特別なものです。

特に、子どもが多感な時期を過ごす家庭環境が安定することは、子どもの心の成長にとっても非常に良い影響を与えてくれるでしょう。

とはいえ、無理な借入は禁物です。

では、40代の私たちは、いくらまでなら安心して借りられるのでしょうか?

答えはシンプル、以下の2つのルールを守ったうえで、借入金額を決めてください。

安全な借入のための2つの絶対ルール

  • ルール①:返済負担率を「年収」の20%以内にする
  • ルール②:変動金利と固定金利の特性を理解し、夫婦でよく話し合って決める

ルール①: 返済負担率を「年収」の20%以内にする

返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合のことです。

銀行では、年収の30~35%程度まで貸してくれることもありますが、それは危険水域です。

本業の収入と副業収入を合わせた年収をもとに、必ず20%以内に収めてください。

例えば、夫の年収が600万円なら、年間の返済額は120万円(月々10万円)が上限です。

これを超えると、子どもの教育費の増加や変動金利の上昇、不測の事態による緊急出費などに対応しにくくなります。

ルール②:「変動金利」と「固定金利」の特性を理解し、夫婦でよく話し合って決める

変動金利は、低い金利が魅力ですが、将来、金利が上がる可能性があるというリスクもあります。

ただ、金利が上がったからと言ってすぐに、毎月の返済額が上がるというわけではありません。

急激な上昇を緩和する「5年ルール(5年間は返済額が変わらない)」が多くの金融機関で採用されているため、家計の収支が急変しないようになっているのです。

また、5年ルールを採用する金融機関には、5年経過後の6年目からの毎月の返済額が、今までの返済額に対して125%の金額までしか上げることができない「125%ルール」といったような仕組みも定められています。

例えば、元々の毎月の返済額が10万円であった場合、金利変更年の毎月の返済額は約12.5万円までしか上げることができないようになっているのですね。

とはいえ、これらの安全装置は、返済を先送りしているだけのものであり、先送り分は後できっちりと支払わなければなりません。

一方、固定金利(全期間固定)は、金利が「変動」より高めに設定されていますが、返済終了まで金利が変わらない安心感が最大のメリットです。

金利が変わらず、支払金額も固定されていますので、将来の返済計画が立てやすくなっています。


では、変動金利と固定金利、どちらにするのが良いのでしょうか?

残念ながら、どちらが良いかは一概に言えません。

以下の「簡単な判断基準」を見ながら、夫婦でよく話し合って決めましょう。

簡単な判断基準

  • 当初の返済額を抑えたい、金利上昇時に繰上返済できる →『変動金利』
  • 金利上昇リスクを避けたい、毎月の支払額を確定させて安心したい →『固定金利
  • 迷った場合 →『固定金利』(安心を買うと考える)

ケース②|子どもの教育費

子育て世帯にとって最大の関心事であり、最大の聖域でもあるのが「子どもの教育費」です。

文部科学省の調査によれば、子ども1人が幼稚園から大学を卒業するまでにかかる教育費の平均は、すべて国公立で約872万円、すべて私立(理系)だと約2,526万円かかると言われています。

子どものためなら、どんな無理をしてでも…と思うのが親心。

しかし、そのために老後資金を切り崩し、親子共倒れになってしまっては元も子もありません。

だからこそ教育費は「投資」と考え、返済計画をしっかり立てて、無理のない範囲で借金を利用することが重要になります。

そうすることで、子どもの将来の選択肢を広げつつ、家計や老後の安心も守ることができるのです。

教育費の主な借入先は、「国の教育ローン(日本政策金融公庫)」、「銀行の教育ローン」、「奨学金(貸与型)」の3つです。

「国の教育ローン(日本政策金融公庫)」は、固定金利で計画が立てやすく、「銀行の教育ローン」は、資金使途の幅が広く、融資額の上限も高い傾向にあります。

「奨学金(貸与型)」は、金利が低く、在学中に返済不要である点が大きな特徴です。

どれが適しているかは、世帯の収入、希望する金利、資金の使途、そして借入希望の時期によって異なります。

それぞれの借入先の特徴は、以下の通りです。

Where to borrow education expenses 3

40代の子育て世帯が考えるべきポイントは、次の3つです。

40代の親が考えるべきポイント

  1. 基本戦略
  2. 親が借りるべきタイミング
  3. 絶対にしてはいけないこと

1. 基本戦略

まずは、金利が最も低い「奨学金(貸与型)」の利用を検討しましょう。

特に、成績優秀者向けの無利子の第一種奨学金は積極的に狙うべきです。

もし、奨学金だけで足りない分を補う場合は、「国の教育ローン」→「銀行の教育ローン」の順で検討するとよいでしょう。

2. 親が借りるべきタイミング

教育費の借入は、入学前の準備期間に計画的に行うのがベストです。

高校3年生の春頃から情報収集を始め、大学合格が決まったらすぐに手続きできるよう準備しておきましょう。

特に、入学金は合格発表から納付期限まで短いため、事前に借入先を決めておくことが重要です。

また、在学中に追加で必要になった場合は、できるだけ早めに、在学している学校の奨学金窓口などに相談して申込を行いましょう。

3. 絶対にしてはいけないこと

絶対にしてはいけないことは、教育費のために、金利の高いカードローンやリボ払いに手を出すことです。

これは「悪い借金」であり、家計を最悪、破綻させることになってしまいます。

教育費でお金を借りるときは、「このお金をかけて、子どもの将来にプラスになるのか?」を冷静に考えることが大切です。

数百万円という大金を借りるのですから、感情だけで決めてはいけません。

教育費の借金を決める前に、次の3つのポイントを必ず確認しましょう。

40代の親が考えるべきポイント

  • ポイント① 子ども本人は本当にやる気があるか?
  • ポイント② その大学を卒業したら就職できるか?
  • ポイント③ 費用対効果を冷静に計算する

ポイント① 子ども本人は本当にやる気があるか?

みんなが大学に行くから...、親として大学くらいは出させてあげたい...という理由だけでは危険です。

子ども自身が「なぜその大学で学びたいのか」「将来どうなりたいのか」を明確に話せるか確認しましょう。

親の見栄のための進学は、借金だけが残る結果になりがちです。

ポイント② その大学を卒業したら就職できるか?

大学選びで最も重要なのは、「卒業後の進路」です。

就職率はどうか、卒業生はどんな会社で働いているか、身につくスキルは社会で役立つかを調べましょう。

いくら高いお金を払っても、就職に結びつかなければ借金の返済が困難になります。

ポイント③ 費用対効果を冷静に計算する

子どものためなら何でも...という気持ちは分かりますが、借金は必ず返さなければなりません。

その大学に行くことで、将来的に借りた金額以上の収入アップが見込めるか、親子で現実的に話し合うことが重要です。


教育費は確かに「子どもの未来への投資」ですが、同時に「家計に大きな影響を与える借金」でもあります。

この両面を忘れずに、慎重に判断しましょう。

ケース③|小さなビジネスへの投資

終身雇用が崩壊し、「個の力」が問われる時代。

40代は、これまでのキャリアの棚卸をしながら、人生後半のキャリアをどう築くかを考える重要な転換期です。

この時期に行う、自分自身の「稼ぐ力」を高めるための自己投資や新たな収入の柱を作るための事業投資は、人生を劇的に好転させる可能性を秘めた「良い借金」となり得ます。

会社の給料だけに頼る生活は、実はとてもリスクが高いものです。

業績の悪化やリストラ、病気など、自分ではコントロールできない理由で収入が途絶えてしまう可能性があるからです。

そこでよく検討されるのが、40代で培った経験や人脈を活かして、小さなビジネスを始めるという選択肢です。

収入源を複数持てれば、家族の生活をより安定させることができるでしょう。

ただし、ビジネスを始めるために借金をする場合は、次の条件を満たしているかどうかを慎重に見極めることが大切です。

小さなビジネス投資で借金をしてもよい6つの条件

  1. 副業から始められる規模
    いきなり本業を辞めてビジネスを始めるのではなく、会社員を続けながら週末や平日の夜に取り組める規模から始めることが鉄則です。
  2. 初期投資を1年以内に回収できる見込み
    月3〜5万円の利益が出れば1年で回収できる程度の初期投資に留めることが重要です。大きすぎるリスクは40代の子育て世帯にはおすすめしません。
  3. 失敗しても家族に迷惑をかけない金額
    年収の10%以内、最大でも100万円程度に留めることをおすすめします。「失敗しても何とかなる」範囲で挑戦することが大切です。
  4. 自分の経験や得意分野を活かせる
    全く新しい分野に挑戦するよりも、これまでの仕事経験や趣味、子育て経験を活かせる分野の方が成功確率は高くなります。
  5. 需要があることを事前に確認済み
    友人・知人からの反応や、インターネットでの市場調査を通じて、一定の需要があることを確認してから始めましょう。
  6. 日本政策金融公庫などの低金利融資が利用できる
    実績がなくても比較的借りやすいのが特徴です。

ここで重要なのは、いきなり大きなリスクを取らないこと。

まずは副業レベルから始め、軌道に乗ってきたら事業を拡大していくのが鉄則です。

借入先としては、日本政策金融公庫が、低金利で実績がなくても借りやすく、おすすめです。

どんなに将来性があっても、以下のパターンは絶対に避けましょう。

絶対に避けるべき危険な借金パターン

  • 絶対に成功するという甘い謳い文句
    投資に絶対はありません。リスクを正直に説明してくれる相手や商品を選びましょう。
  • 高金利のカードローンやキャッシング
    年利15%を超えるような高金利では、どんなに良い投資でも元を取ることは困難です。
  • 家計を圧迫する無謀な借入額
    子どもの教育費や生活費を削るような無謀な借入をするのは本末転倒です。
  • 家族に内緒で借金をする
    家族の理解と協力なしには、長期的な成功は望めません。必ず家族と相談してから決めましょう。
  • 明確な計画なしに「なんとなく」始める
    感情ではなく、数字に基づいた具体的な計画を立てることが成功の鍵です。

これらの危険なパターンに当てはまる場合は、どんなに魅力的に見えても一度立ち止まって考え直しましょう。

焦りは禁物です。

良い投資機会は、必ず他にもあるのですから。

借金で失敗しないための5つのチェックリスト

ここまで読んで「借金も使い方次第で便利な道具になるんだ」と思っていただけたかもしれません。

しかし、大切なのは「安全に使いこなすこと」です。

ここでは、「借金で失敗しないための5つのチェックリスト」と「頼れる専門家」についてお伝えしていきます。

借金は、「家族全員の将来」に関わる大きな決断です。

次の5つの質問に、夫婦でそろって「YES」と答えられるかを必ず確認してください。

ひとつでも「NO」があるうちは、できるだけ契約しないようにしましょう。

借金で失敗しないための5つのチェックリスト

  1. 我が家のお金の流れを把握しているか?
    • 収入・支出・貯金・借金など、現状がわからなければ計画も立てられません。
    • どうやって確認する? 家計簿アプリ(例:マネーフォワードME)に銀行やカードを連携すれば、自動で見える化できます。「手取り収入の20%以上を貯金や投資に回せている」家計であれば、比較的安心して借りることができるでしょう。
  2. 将来の大きな支出に備えられているか?
    • 借金は「未来の家計を予約する」もの。予想外の支出が重なると返済が苦しくなります。
    • どうやって確認する? 子どもの進学、車の買い替え、親の介護、家のリフォームなどを「ライフイベント表」にまとめ、ざっくり金額を書き出します。これらの将来の大きな支出に備えられていなければ、基本的にやめておきましょう。
  3. 金利が上がったとき、家計は耐えられるか?
    • 住宅ローンを選ぶ際、「金利は安い方がいい」という単純な理由で変動/固定を選ぶのは危険です。変動金利を選択した場合、金利の上昇で家計が破綻しないかどうか、夫婦で話し合って想定しておかなければなりません。
    • どうやって確認する? 変動金利なら「金利が2%上昇したら月々の返済額はいくら増えるか」、固定金利なら「変動金利との総返済額の差はいくらか」を金融機関のシミュレーターで必ず試算しましょう。その上で、「我が家はどちらのリスクを取るのが合理的か」を判断します。分からない言葉は一つ残らず調べ、理解できないことは担当者に必ず質問しましょう。
  4. 生活防衛資金を持っているか?
    • 病気や失業などで収入が途絶えたとき、返済ができないと一気に家計が破綻します。生活防衛資金が十分に準備されていなければ、借金をするのはやめておきましょう。
    • どのくらい準備する? 会社員なら半年分、自営業なら1年分の生活費を、普通預金に「非常用」として置いておきましょう。投資には回さず、すぐ使えるお金にしておくことが重要です。
  5. 家族とちゃんと話し合ったか?
    • 借金は、家族全員に関わる大切なテーマです。一人で決めてしまうと、いざという時に協力し合えず、トラブルのもとになることもあります。
    • 何を話し合う? 「ちょっと将来のお金のこと話してみない?」と切り出し、この記事をきっかけに話してみましょう。不安や意見を共有するだけでも、家族の絆が強くなります。

一人や夫婦だけで悩むより、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談した方が安心です。

家計診断、ライフプラン作成、保険見直し、住宅ローンの選び方など、幅広く相談に応じてくれます。

無料相談は、商品販売目的のことも多いため、「有料相談」のFPを選ぶのがおすすめです。

親身に聞いてくれて、専門用語をかみ砕いて説明してくれるかをチェックしましょう。


借金は、「危ないもの」ではなく「便利な道具」です。

とはいえ、正しく使うためには事前の準備と知識が欠かせません。

今回紹介した5つのチェックリストをクリアし、必要なら専門家にも相談すれば、安心して借金を活用できます。

将来の家族のために、焦らず慎重に、でも前向きに一歩を踏み出していきましょう。

まとめ

今回の記事では、40代子育て世帯が知っておくべき「良い借金」と「悪い借金」の見極め方について、詳しく解説してきました。

本記事の重要ポイントは、以下の通りです。

本記事の重要ポイント

  • 良い借金の判断基準:将来の自分や家族を「楽にしてくれる」のが良い借金、「今欲しいだけ」で将来を「苦しめる」のが悪い借金
  • 3つの見分けポイント:①将来価値が残るか、②金利が安く得があるか、③家計への貢献があるかで判断
  • 健全な家計でも借金すべき3つのケース:住宅ローン、子どもの教育費、小さなビジネスへの投資
  • 安全な借入の絶対ルール:返済負担率を年収の20%以内に抑え、金利タイプを夫婦でよく話し合って決める
  • 失敗しないための準備:5つのチェックリストをクリアし、必要に応じて専門家に相談する

これで「借金は絶対に悪いもの」という思い込みから解放され、「40代の今、この借金をしていいのか?」という判断に自信を持てるようになったはずです。

正しく活用すれば、借金は家族の夢を叶え、将来をより豊かにしてくれる強力な味方になるでしょう。

まずは夫婦で「5つのチェックリスト」を使って現在の家計状況を確認することから始めてみましょう。

住宅購入や教育費で具体的な悩みがある方は、記事で紹介した判断基準を使って冷静に検討し、迷ったときは有料のファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

大切なのは、感情ではなく数字と論理に基づいた判断です。

40代は人生最後の大きなチャンス。

借金を恐れることなく、家族にとって最適な選択を自信を持って決断していきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


[筆者プロフィール]
40代男性。妻1人、子ども3人(6歳、5歳、2歳)の5人家族。本業年収は300万円前後。2018年1月に貯金500万円から資産形成を開始。約6年で純資産3,150万円を達成(2024年11月時点)。iDeCo、新NISA、投資信託、株式投資、暗号資産などを勉強しながら運用中。過去にハウスクリーニング、現在は暗号資産エアドロップで副収入を得ている。自身の低年収・子育て世代での経験をもとに、再現性の高い資産形成ノウハウやお金に関する思考法・習慣、投資の実践方法、リアルな資産状況などを、同じような悩みを持つ方々の力になれるよう、等身大の言葉で情報をお届けします。

[免責事項]
本記事は、筆者の個人的な経験や見解に基づいた情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れなどのリスクが伴います。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断と責任において行ってください。また、税制や制度に関する情報は変更される場合がありますので、最新の情報をご確認ください。

-資産形成