「毎日、欲しいものを我慢して節約生活...正直、人生つまらないな。」
「将来のためとは分かっているけど、このまま我慢ばかりの生活が続くのかな...」
そんなふうに感じたことはありませんか?
将来のためとはいえ、「今」を犠牲にしている感覚が続くと、これで本当に幸せなのか、不安になりますよね。
そんな私のモヤモヤを一変させてくれたのが、『アート・オブ・スペンディングマネー』にある、次の言葉でした。
「貯蓄は『自立』という利益をもたらす、と理解できるようになれば、『明日のための貯蓄は、今日を犠牲にすること』とは思わなくなる。」(第9章 リスクと後悔)
モーガン・ハウセル『アート・オブ・スペンディングマネー』ダイヤモンド社、2025年
私は、本業年収300万円前後・子ども3人の5人家族という環境でも、この考え方を軸に行動したことで、貯蓄を「我慢」ではなく「自由を買う行為」として捉えられるようになりました。
この記事では、私が「貯金=つらいもの」という思い込みから抜け出し、自立という本当の利益を実感できるようになった考え方と、その具体的なステップをお話ししていきます。
ぜひ最後までお付き合いください。
多くの人が誤解している「貯蓄=我慢」の罠

まず、なぜ私たちは貯蓄を「我慢」や「犠牲」だと感じてしまうのでしょうか?
それは、世の中の「消費こそが美徳」というメッセージに、知らず知らずのうちに洗脳されているからです。
「高級車に乗ることが成功の証」
「最新のスマホを持つことがステータス」
「週末はオシャレなカフェでランチ」
私たちは、お金を使うことでしか幸せを感じられないように、刷り込まれているのですね。
ゆえに、それらを削る行為を「犠牲」だと感じてしまうのです。
しかし、よく考えてみてください。
その「消費」は、本当にあなたの心が求めているものでしょうか?
見栄のための消費は「ノイズ」でしかない
過去の私も、今思えば「見栄のための消費」に振り回されていました。
私はお酒が飲めません。
それでも当時は、「付き合いが悪いと思われたくない」、「断ったら評価が下がるかもしれない」、そんな不安から、気が進まない飲み会に参加していました。
飲めないお酒の席で、高い会費を払い、眠い目をこすりながら愛想笑いをする。
その場では、「参加しておいた方が無難だよな」と思うのですが、家に帰るといつも「今日の時間とお金、本当に必要だったかな...?」そんなふうに感じていました。
あのときに無理して買った、少し高めの服も同じです。
周りから良く見られたい一心で選んだ服は、数回着ただけで何の感情も沸かなくなっていました。
一瞬の満足感はあっても、すぐに消えてしまいます。
残ったのは、減っていく銀行残高と「またお金を使ってしまった」という後悔だけでした。
そんな経験を重ねるうちに、私はあることに気づきました。
世の中の消費の多くは、「本当に自分が欲しいもの」ではなく、他人の目を気にした見栄や、その場しのぎのストレス発散で成り立っているということに...。
こうした消費を減らすことは、人生の楽しみを奪うことではありません。
むしろ、自分にとってどうでもいい「ノイズ」を減らしたことで、本当に大切なものが自然と見えてくるようになりました。
飲めないお酒の席に行かなくなり、見栄で服を選ぶのをやめただけで、気持ちも生活もずいぶん楽になったと感じています。
お金だけでなく、時間と気力にも余白が生まれたのです。
見栄のための消費を手放すことは、我慢ではありません。
今では、これは我慢ではなく、自分の人生の主導権を取り戻す行動だったのだと、はっきり実感しています。
本当の節約とは「選択と集中」
私が実践している節約は、「とにかく我慢すること」ではありません。
ポイントは、すべてを削るのではなく、使うところと使わないところをはっきり分けることです。
例えば、以下のような「後から振り返って良かったと思えるもの」には、ほとんど迷わずお金を使います。
一方で、以下のような「なくても困らない支出」は、徹底的に削ってきました。
このメリハリこそが、私が考える「豊かな人生につながる節約」です。
大切なのは、「使わないこと」そのものを目的にしないこと。
本当に大切なことに、気持ちよくお金を使うために、どうでもいい支出を減らす。
そう考えると、貯蓄はつらい我慢ではなく、自分の価値観に沿った「戦略的な選択」に変わっていきます。
無理に我慢する節約よりも、結果的に長く続き、満足感も高い方法だと実感しています。
貯蓄がもたらす利益は「金利」ではなく「自立」である

では、コツコツと貯めたお金は、私たちに何をもたらしてくれるのでしょうか。
銀行の利息でしょうか。
投資の配当金でしょうか。
もちろん、それらも大切です。
ですが、私が実感している貯蓄の最大の利益は、もっと本質的なものです。
それは、「自立」です。
ここからは、私自身の体験を交えながら、貯蓄がもたらす3つの具体的なメリットをお話していきます。
利益①|嫌なことから逃げる権利
欧米では、「嫌な状況から、いつでも距離を取れるだけの貯蓄」を指す考え方があります。
表現はさまざまですが、意味するところはシンプルです。
理不尽な環境に、無理して居続けなくてもいい状態のことです。
十分な貯蓄があると、会社で理不尽な要求をされたとき、心の中でこう思えるようになります。
最悪、この会社を辞めても、しばらくは生活できる。
この「辞めてもいい」という選択肢を持っているだけで、精神的余裕は驚くほど変わります。
上司の顔色を伺ってビクビクする必要も、嫌な仕事を無理に引き受ける必要もなくなります。
私自身、資産が500万円を超えたあたりから、会社に対して過度な期待をしなくなりました。
すると不思議なことに、仕事に対するストレスが減り、むしろ冷静に、淡々と向き合えるようになったのです。
これは、会社に依存しなくても生きていけるという「精神的な自立」を手に入れたからだと思っています。
この「心の自由」こそが、貯蓄がもたらす最大の配当だと感じています。
詳しくは、こちらの記事でも、私自身の体験をもとにお話ししていますので、よかったらご覧ください。
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利益②|時間を取り戻す権利
お金があると、他人の都合で働く時間を減らす選択ができるようになります。
例えば、次のような選択肢です。
私にとって貯蓄とは、「過去に頑張ったご褒美」ではありません。
それは、「未来の自分がやりたいことや、家族と過ごす時間を買い戻すためのチケット」です。
今日、なんとなく使ってしまいそうな1,000円を貯めることは、未来の自分が「その分、働かなくていい時間」を少しずつ積み立てているのと同じだと考えています。
そう捉えるようになってから、節約は「つらい我慢」ではなく、未来を楽にするための前向きな行動に変わりました。
時間的な富については、以下の記事で深く掘り下げていますので、よかったらご覧ください。
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利益③|心の平穏
そして、何より大きいのが「心の平穏」です。
この心の平穏があるからこそ、以下のような不測の事態が起きても、慌てずに冷静な判断ができるようになります。
こうした出来事は、誰にでも起こります。
貯蓄がないと、これら一つひとつが大きなストレスになりますよね。
一方、生活防衛資金やある程度の貯蓄があると、「まあ、なんとかなる」と落ち着いて対処できます。
お金の不安は、じわじわと心をすり減らし、夫婦関係や家庭の雰囲気にも影響します。
だからこそ、貯蓄はあなたと家族を守る「最強の防波堤」になるのです。
心の平穏を手に入れる方法については、以下の記事で、子育て世帯ならではの体験をもとに詳しくお話ししていますので、よかったらご覧ください。
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貯蓄の価値は、金利や利回りだけでは測れません。
貯蓄とは、自分の人生の選択肢を自分の手に取り戻すための手段だと私は考えています。
そう捉えられるようになると、節約や貯蓄の見え方が、きっと今までとは変わってくるはずです。
今日を犠牲にせず「自立」を手に入れる【3つのステップ】

貯蓄=自立という考え方が腹落ちしたら、あとは無理をしない形で行動に落とすだけです。
ここでは、今日の楽しみを我慢しすぎることなく、少しずつ自立に近づくための3つのステップをご紹介していきます。
価値観の明確化
まず最初にやるべきことは、「自分にとっての幸せの基準」をはっきりさせることです。
難しく考える必要はありません。
ノートやスマホのメモに、次のような問いを書いてみてください。
○○にお金を使っているときは、満足感が高いな...。
この『○○』には、以下のようなものが入るはずです。
こうして書き出してみると、「意外と自分は、これだけで満足できるんだな」と気づくはずです。
このリストが、これからお金を使うかどうか迷ったときのあなた自身の判断軸になります。
一方で、「なんとなく」「周りに合わせて」使っているお金も見えてくるはずです。
例えば、以下のようなものですね。
私の場合、家族との体験や自己投資(スキル・知識)には迷わずお金を使います。
その代わり、「なんとなく」「周りに合わせて」使っている支出は、意識的に手放しました。
自分の価値観が明確になると、他人の消費行動に振り回されなくなり、「使わない選択」に迷いがなくなります。
固定費の最適化
次に取り組むのが、固定費の見直しです。
ここで大切なのは、日々の満足度を下げないこと。
例えば、以下のような固定費は、日々の満足度を下げることなく、見直すことができるのでおすすめです。
私の場合、引越しを機にプロパンガスから都市ガスへ切り替えただけで、年間約4万円の節約になりました。
また、格安SIMや保険の見直しを徹底することで、生活満足度を下げずに月数万円の「余剰資金」を生み出すことができました。
これだけでも、年間で数十万円の余裕が生まれました。
しかも、一度設定すれば、何もしなくても自動的にお金が残るのが固定費削減の強みです。
我慢して節約するのではなく、仕組みでお金が貯まる状態を作りましょう。
お金が増える習慣については、こちらで詳しく解説していますので、よかったらご覧ください。
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新NISAで「お金に働いてもらう」
最後のステップは、浮いたお金をただ銀行に置いておくのではなく、新NISAを使って投資に回すことです。
あなたが働いて稼ぐ「労働収入」に加えて、お金自身が働く「資産収入」を育てていきます。
これが、自立までのスピードを大きく高めてくれます。
私自身も、最初から大きな金額を投資していたわけではありません。
iDeCoで毎月の掛金を23,000円に設定し、淡々と積み立てを始めました。
それでも、「自分が働いていない時間にも、お金が動いている」という感覚は、想像以上に心を楽にしてくれます。
この感覚を持てるようになると、貯蓄や投資は「義務」ではなく、徐々に自立に近づいている実感のある行動に変わっていくでしょう。
具体的な始め方や考え方については、以下の新NISAに関する記事を参考にしてみてください。
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この3つを順番に積み重ねていけば、今日を犠牲にすることなく、少しずつ「自立」に近づいていくことができるでしょう。
焦る必要はありません。
まずは、できるところから一歩ずつ始めてみてください。
Q&A|よくある質問

最後に、この記事の内容を踏まえ、多くの方がつまずきやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
特に、「お金との向き合い方」や「行動の優先順位」を中心に、よくある質問にお答えしていきます。
若い時の「経験」にお金を使うのも大事では?
その通りです。何でもかんでも貯金するのが正解ではありません。
若い時にしかできない経験や、心に残る体験には、将来の資産額以上の価値があることもあります。
だからこそ大切なのは、バランスです。
そのメリハリをつけるために、貯蓄(=自立のための資金)を持っておくのです。
貯蓄があるからこそ、経験への投資も、後悔なく、安心して選べるようになります。
収入が少なくて、貯蓄どころではありません。
収入の多さよりも「生活コストの低さ」が自立への鍵です。
年収1,000万円でも、全部使っていたら一生自立できません。
逆に年収300万円でも、月15万円で幸せに暮らせるなら、残りは全て自由への資金になります。
まずは固定費を一つ見直すことから始めてみましょう。
小さな一歩が、やがて大きな自信になりますよ。
いつまで貯め続ければ「自立」できますか?
生活防衛資金(生活費の6ヶ月分〜1年分)があるだけで、景色は変わります。
完全なFIRE(経済的自立)を目指すとなると億円単位が必要ですが、精神的な自立ならもっと早く手に入ります。
「何かあっても半年は暮らせる」
この状態を作ることが、最初のゴールです。
そこから先は、資産が増えるごとに自由の度合いが増していくでしょう。
まとめ

ここまで、「貯蓄=我慢」という思い込みを手放し、貯蓄を通じて『自立』を手に入れる考え方と具体的な行動についてお話ししてきました。
最後に、この記事のポイントを整理します。
この記事のポイント
- 貯蓄は犠牲ではない
見栄や惰性といった「ノイズ」を減らし、本当に大切なものに集中するための手段です。 - 貯蓄がもたらす最大の利益は「自立」
嫌な環境から距離を取れる自由、自分や家族の時間を自分で選べる余裕が生まれます。 - 自立は、少しずつ積み重ねていくもの
価値観を明確にし、固定費を仕組みで下げ、余ったお金を未来に回す。
この積み重ねが、確実に人生を楽にしてくれます。 - 経験も大切。だからこそバランスが重要
浪費は削り、価値ある体験には気持ちよくお金を使う。
その判断を支える土台が、貯蓄(自立資金)です。
貯蓄は、過去の支払いでも、ただ数字を増やす行為でもありません。
未来のあなたと家族に、選択肢を残しておくための準備です。
今日、なんとなく使ってしまいそうだった数千円。
それは将来、「無理な働き方をしなくていい余裕」や「家族の時間を優先できる自由」につながっていきます。
焦る必要はありません。
まずは、できるところからで大丈夫です。
今すぐにできること
- 価値観を一度書き出してみる
- 固定費を一つだけ見直してみる
- 少額でも、未来に向けてお金を動かしてみる
その小さな一歩が、やがて大きな安心と自信につながるでしょう。
あなたと、あなたの家族のこれからが、少しずつ楽になっていくことを心から願っています。
[筆者プロフィール]
40代男性。妻1人、子ども3人(6歳、5歳、3歳)の5人家族。本業年収は300万円前後。2018年1月に貯金500万円から資産形成を開始。約6年で純資産3,150万円を達成(2024年11月時点)。iDeCo、新NISA、投資信託、株式投資、暗号資産などを勉強しながら運用中。自身の低年収・子育て世代での経験をもとに、再現性の高い資産形成ノウハウやお金に関する思考法・習慣、投資の実践方法、リアルな資産状況などを、同じような悩みを持つ方々の力になれるよう、等身大の言葉で情報をお届けします。
[免責事項]
本記事は、筆者の個人的な経験や見解に基づいた情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れなどのリスクが伴います。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断と責任において行ってください。また、税制や制度に関する情報は変更される場合がありますので、最新の情報をご確認ください。