2019~2020年にかけてDefi(分散型金融)ブームがイーサリアム上で巻き起こり、2020~2021年における世界的な金融緩和により暗号資産バブルが発生しました。
その最中、誕生したのがアバランチ(Avalanche)です。
アバランチ(Avalanche)は、ソラナ(Solana)やバイナンススマートチェーン(BNB Chain)とともに「イーサリアムキラー」として注目を集め、2021年には時価総額が一時300億ドルを超えるまでに急成長しました。
本記事では、2021年に急成長を果たしたアバランチ(Avalanche)の特徴や将来性、ステーキング報酬の獲得方法や代表的なdApps(分散型アプリ)について解説していきたいと思います。
Avalancheとは?
アバランチ(Avalanche)は、イーサリアム上で問題視されていたガス代高騰やトランザクションの遅延(スケーラビリティ問題)を解消するべく、2020年9月にローンチされたブロックチェーン・プラットフォームです。
他のブロックチェーンとは異なる種類の特殊なコンセンサスエンジンを採用し、高度な分散性とスケーラビリティを両立し、高速で低コストなトランザクション処理を実現しています。
米コーネル大学教授のEmin Gün Sirer氏が設立したAVA Labsが開発を進めており、ネイティブトークンは「AVAX」です。
TVL(預かり資産)は、全ブロックチェーン中4位(2022年8月時点)の資産額を誇ります。
TVLとは?
TVLとは、「Total value locked」の略で、Defi(分散型金融)に預けられた暗号資産の価値の合計のことをいいます。
TVLには、Defiが提供するステーキングやレンディング、流動性プールなどのプロトコルに預けられた全ての暗号資産が含まれています。
2020年9月にメインネットがローンチされてから、2年経足らずでこの地位にいることを鑑みると、とても計り知れないポテンシャルを感じます。
Avalancheが急成長できた大きな要因は、「高度な分散性とスケーラビリティの両立・高速処理」に加えて、「EVM互換性」を持っていることです。
EVMとは「Ethereum Virtual Machine」の略称で、人間が「Solidity」などのプログラミング言語で記述したコードをコンピュータ言語に翻訳してくれるものです。
イーサリアム上でEVMを用いると、「Solidity」で記述したスマートコントラクトをデプロイあるいは実行できるようになります。
Avalancheは「EVM互換性」の機能を持っているため、「Solidity」で記述したスマートコントラクトをデプロイ・実行することができます。
これは、イーサリアム上に展開されるCurve(分散型取引所)やAAVE(レンディングプラットフォーム)などのdApps(分散型アプリ)をそのままAvalanche上に移植できることを意味します。
さらに、CurveやAAVEなどの移植されたdAppsだけではなく、「Trader Joe(分散型取引所)」や「BENQI(リキッドステーキング)」「Yield Yak(イールドアグリゲータ)」などのUI/UXが優れたユーザーフレンドリーなdAppsが多く稼働しており、将来が楽しみなブロックチェーン・プラットフォームです。
Avalancheの特徴
Avalancheは、次のような特徴を持っています。
- 高速・低コストで安定した処理性能
- 高度な分散性とスケーラビリティを両立
- EVM互換性を持つ
- サブネットによる相互運用性(インターオペラビリティ)
それぞれ解説していきます。
①高速で安定した処理性能
1つ目の特徴は、他のチェーンと比較して「高速かつ低コストで安定した」トランザクション(取引)処理を実現していることです。
Avalancheチェーン上では、1秒間に処理できるトランザクション(取引)の件数が最大4,500件(4,500TPS)とされています。
そして、他のブロックチェーンで起きるような「チェーン自体の停止や遅延の発生」はほとんど起きず、安定稼働を維持しています。
アバランチは平均 1 秒以内にトランザクションを確定しており、これは他のブロックチェーン・ネットワークと比較しても非常に速い部類です。
この高速で安定した処理性能は、後述する「Avalanche Consensus」と呼ばれるコンセンサスエンジンを採用することで実現されています。
私自身、Avalancheチェーンをよく使っていますが、停止や遅延等で「ストレスや不便さ・不利益」を感じたことはほとんどありません。
このことは「Defi(分散型金融)」や「BCG(ブロックチェーン・ゲーム)」などを利用する上で、とてもとても大事な点です。
「金融取引」や「ゲームアプリ」で、取引が停止したり、遅延したりするとかなり困りますよね。
今後、ブロックチェーン利用者が増加していくなか、ますます「高速で安定した処理性能」は重要視されていくことが予想されます。
Avalancheは、この点において非常に優位なポジションにあるブロックチェーンであると言えます。
②高度な分散性とスケーラビリティを両立
2つ目の特徴は、「高度な分散性」と「スケーラビリティ」の両立を実現していることです。
どういうことかというと、参加するノード数を十分に確保し(高度な分散性を確保し)た状態で、取引量が増えたとしても、「低コストで高速な取引処理を安定的に実行できる」ということです。
高度な分散性とスケーラビリティの両立を目指して、現在もさまざまなブロックチェーン・プラットフォームが研究開発を行っていますが、Avalancheほど安定稼働をしているものはありません。
多くのブロックチェーン・プラットフォームでは、分散性を犠牲にして高スケーラビリティを実現していたり、頻繁にネットワークが停止したりするものがよくみられますが、Avalancheはそれとは異なります。
そもそもスケーラビリティと分散性の両立を目指して開発されているため、分散性を犠牲にすることなく低コストで高速な取引処理を実現しているのです。
③EVM互換性を持つ
3つ目の特徴は、AvalancheがEVM(イーサリアム・バーチャル・マシン)を実装しているという点です。
EVMとは、プログラミング言語「Solidity」で記述されたコードをコンピュータが理解できる機械語に翻訳する翻訳機のことです。
イーサリアムブロックチェーン上では、EVMで翻訳されたコード(スマートコントラクト)が実行されます。
Avalancheでも同様に、プログラミング言語「Solidity」でスマートコントラクトを記述できるため、イーサリアムブロックチェーン上にあるdApps(分散型アプリ)をそのまま移植することができます。
また、EVM互換性を持つことにより、イーサリアムブロックチェーン上での開発者がAvalancheブロックチェーン上に参加しやすくなっているため、魅力的な新規プロジェクトが次々と誕生してきています。
④サブネットによる相互運用性(インターオペラビリティ)
4つ目の特徴は、サブネットによる相互運用性を有している点です。
Avalancheのサブネットは、企業や行政、個人が簡単に独自のブロックチェーンを作成することができる機能のことです。
「Cosmos」ネットワークと似た仕組みであり、異なるブロックチェーン同士の相互運用性をサポートし、各チェーン間のアセット(トークン)をシームレスに移動させることができます。
バリデータ(2,000AVAXを預ける必要あり)を最低1台以上、および搭載したいVM(バーチャルマシン)を用意すれば、簡単にブロックチェーンを作成することができます。
VM(バーチャルマシン)は、EVM(Solidityの開発者用VM)やWASM(Rustの開発者用VM)のほか、独自の完全カスタムVMを搭載することも可能です。
また、パブリック型、プライベート型のいずれも作成可能で、必要に応じてさまざまなカスタマイズをすることができます。
企業や行政がサブネットを作成する場合、「KYC(本人確認)のプロセスを経た人のみ参加」、「日本や米国居住者のみ参加」などの制限を加えることも可能です。
3つのチェーン
Avalancheでは、用途・目的別に以下の3つのチェーンが存在しています。
- X-Chain(エクスチェンジ チェーン)
- C-Chain(コントラクト チェーン)
- P-Chain(プラットフォーム チェーン)
それぞれ解説していきます。
X-Chain(エクスチェンジ チェーン)
X-Chainとは、DAG(Directed Acyclic Graph)による高速並列処理ができる「ペイメント用のチェーン」です。
AVAXをはじめとするデジタルアセットの作成、およびトレードに特化しています。
X-Chainで作成した資産をC-Chainで利用することもでき、アセット作成時にさまざまなルール(米国市民にのみ送信可能など)を設定することもできます。
C-Chain(コントラクト チェーン)
C-Chainとは、EVM互換の「スマートコントラクト用のブロックチェーン」です。
Defi(分散型金融)やBCG(ブロックチェーンゲーム)などのdApps(分散型アプリ)は、このC-Chain上で作成されます。
P-Chain(プラットフォーム チェーン)
P-Chainとは、サブネットやバリデータの管理を行う「拡張用のブロックチェーン」です。
前述したサブネットの作成や管理は、このP-Chain上で行われます。
バリデータの調整もP-Chain上で行われ、AVAXのステーキングはP-Chain上で行うことができます。
コンセンサスアルゴリズム
Avalancheは、コンセンサスアルゴリズムにPOS(プルーフ・オブ・ステーク)を採用しています。
POS(プルーフ・オブ・ステーク)とは、その暗号資産を多く持っているほど、「ブロックを承認する権利」を割り当てられる確率が高まる仕組みです。
ブロックが承認されると、そのデータはブロックチェーン上に書き込まれ、ブロック承認者は報酬を獲得することができます。
また、「X-Chain」上のコンセンサスエンジンは、「Avalanche Consensus」と呼ばれる非常に特殊なアルゴリズムが採用されており、「C-Chain」と「P-Chain」上のコンセンサスエンジンは、「Avalanche Consensus」を発展させた「Snowman Consensus」と呼ばれるものが採用されています。
コンセンサスエンジンとは、「バリデータたちがブロックの検証・合意形成を行い、最終的なブロックを承認するための仕組み」のことを言います。
一般に、「イーサリアム2.0」や「ポルカドット」、「Solana」などの多くのPOSチェーンでは、ブロックの検証・合意形成を「バリデータの多数決」で行うため、バリデータの参加数が増えるほどブロックの承認スピードが下がり、スケーラビリティ問題が発生しやすくなると言われています。
しかし、「Avalanche Consensus」では、ブロックの検証・合意形成を「数学的・統計学的手法」を用いることにより、この問題を解決しています。
具体的には、以下のように検証・合意形成がなされます。
まず、あるトランザクションについて、ランダムに選出されたバリデータAが他のバリデータをランダムに5個選んで、トランザクションの成否について意見を求めます。
ランダムに選出された5個のバリデータのうち、3個以上が「承認」と判断すれば、バリデータAは自分の意見を「承認」と決めます。
逆に、3個以上が「拒否」と判断すれば、バリデータAは自分の意見を「拒否」と決めます。
次に、他のバリデータB、C、D、...(参加者全て)が同時並行的に、 このバリデータAと同じプロセスを行います。
そして、意見を求める相手を変更しながら、このプロセスを繰り返し行っていきます。
何度か繰り返して行っていくと、多数派の意見がさらに支持者を増やしていくことになり、部屋にいる人全員が徐々に同じ意見を持つようになっていきます。
最終的に、判断が正しい確率が非常に高く、間違いはあり得ないと判断できる段階で、トランザクションの成否を確定させるのですね。
ここでは、説明をわかりやすくするために、意見を求めるバリデータを5個としましたが、実際のバリデータ数は、その都度ネットワークに参加するノードの数によって変わります。
そのバリデータ数の決定方法は、「トランザクションの合意が2万年に1度は覆される可能性がある」という確率に設定されています。
さらに、「Avalanche Consensus」では、ノードの80%が悪意あるノードであったとしても、ネットワークを乗っ取られることがなく、取引の改ざんを狙った攻撃に耐えうることができると言われています。
Avalanche上のdApps
Avalancheのネットワーク上には、数多くのdApps(分散型アプリ)がありますが、ここでは筆者が良く使っているユニークなdAppsを紹介したいと思います。
Trader Joe
Trader Joe(トレーダー ジョー)は、Avalancheネットワーク上のワンストップの分散型取引所(DEX)です。
Avalanche版のUniswap(DEX)とも呼ばれており、Avalancheネットワーク上にあるさまざまなトークン(暗号資産)を交換(Trade)することができます。
親しみやすいデザインが人気で、ユーザーにとって直感的でわかりやすいプラットフォームを目指して構築されています。
交換(Trade)以外にも、流動性提供(Pool)、イールドファーミング(Farm)、レンディング(Lend)、ローンチパッド(Launch)、JOEトークンのステーキング(Stake)などの機能がワンストップで利用できます。
なかでも、とても特徴的で面白いのが「JOEのステーキング(Stake)」機能です。
イールドファーミング(Farm)などで獲得したJOEトークン($JOE)をステーキング(Stake)すると、「USDC」「rJOE」「veJOE」のいずれかをステーキング報酬として得ることができます。
「rJOE」は「新規上場トークンのローンチに参加できる権利」を持つトークンです。
「veJOE」は「ファーミング報酬の利回りを上げることのできる権利」と「JOEのガバナンス投票権」を持つトークンです。
新規上場トークンを集めたいユーザーは「rJOE」、ファーミング報酬の利回りを上げたいユーザーは「veJOE」、安全なステーブルコインを獲得したいユーザーは「USDC」といった具合に、ユーザー自身が欲しいと思う報酬を選択できます。
筆者自身、ときどき「Stake」の機能を触っていますが、とても楽しいです。
こういったユーザーを楽しませるような機能を豊富に提供しているDEXは、私の知る限り他にはありません。
開発スピードも早く、新機能の実装やUI/UXの改善がよく行われるため、とてもおすすめの分散型取引所(DEX)です。
BENQI
BENQIは、「Liquidity Market(レンディング)」と「Liquid Staking(リキッドステーキング)」を提供するプロトコルです。
「レンディング」は、ユーザーが暗号資産(AVAXなど)を簡単に貸し借りしたり、利息を獲得することができるプロトコルです。
「リキッドステーキング」は、AVAXをステークすることで利息を獲得することができ、その預けた証明として得られるsAVAXを、他のDefiアプリケーションで運用できるようにするプロトコルです。
具体的には、「sAVAX」を他の暗号資産を借りるときの担保、Trader Joeでの流動性提供などに使うことができます。
あるいは、BENQIの「Liquidity Market(レンディング)」上で「sAVAX」を貸し出して、利息を獲得することも可能です。
要するに、ユーザーは「リキッドステーキング」で、AVAXのステーキング報酬とsAVAXの運用益を同時に獲得できるというわけですね。
BENQIの良いところは、ユーザーが素早く、かつ簡単にレンディング機能やステーキング機能を利用することができる点です。
AVAXをステーキングするには通常、AVAXをC-ChainからP-Chainに移動してから、「Avalanch Wallet」上でステーキングをする必要があります。
やってみると分かりますが、この作業は本当に面倒くさいです。
この面倒なステーキング作業を、BENQIではワンクリックで簡単に実行することができます。
どれほど簡単なものか、今から説明します。
BENQIでのリキッドステーキング方法は、以下の通りです。
- ウォレット(METAMASKなど)を接続
- AVAXの枚数を入力
- 「Stake」ボタンを押す
以上です。とても簡単ですね。
なお、現在のステーキング報酬は、APR(年換算利回り)が7.2%、ロック期間が15日間となっています。
ステーキングを解除して引き出したい場合、15日間のロック期間終了後、2日以内にAVAXを引き出す必要がありますので、注意してくださいね。
BENQIは、ユーザーにとって直感的でわかりやすく、UI/UXが優れていますので、とてもおすすめなdApps(分散型アプリ)です。
Yield Yak
Yield Yak(イールド ヤク)は、主にイールドファーミングにおける利回りを最大化してくれるツール(イールドアグリゲーター)です。
イールドファーミングとは、Trader JoeなどのDEX(分散型取引所)に暗号資産のペア(例:AVAX/USDCなど)を預け入れ、報酬(例:JOEなど)を受け取ることをいいます。
具体的には、暗号資産のペアをPoolと呼ばれる場所に預けると、LPトークン(流動性提供トークン)が獲得できます。
そして、獲得したLPトークンをFarmと呼ばれる場所に預け入れると、報酬を受け取ることができます。
Yield YakにLPトークンを預けると、イールドファーミングにおける報酬を自動で再投資しつつ、総コストを最適化することで、ユーザーの利回りを最大化してくれるのです。
Yield Yakには、他に「Swap」「Boosts」「Liquid Staking」などの機能もあり、どれも非常に便利で、UI/UXも優れています。
「Swap」は、どのプラットフォームでトレードするのが最もリーズナブルかを比較することができる機能です。
「Boosts」は、yyJOEトークンやyyPTPトークンをFarmに預け入れることで、報酬($JOEと$YAK)を獲得することができる機能です。
「yyJOEトークン」や「yyPTPトークン」とは、Trader JoeやPlatypusで獲得したLPトークンを、Yield YakのFarmに預け入れたときの報酬をブースト(高める)させるためのものです。
yyJOEトークンやyyPTPトークンを多く預け入れるほど、ユーザーはより多くの報酬を獲得する可能性が高くなるのです。
「Liquid Staking」は、AVAXをステークすることで利息を獲得することができ、その預けた証明として得られるyyAVAXを、他のDefiアプリケーションで運用できるようにするものです。
これは、「BENQI」のリキッドステーキングプロトコルと同じようなものですね。
このように、Yield Yakは非常に多機能で、ユーザーが獲得する報酬を最大化してくれるものばかりです。
ぜひ、一度触ってみることをおすすめします。
OPENBLOX
OPENBLOXは、Move to Earn(M2E)やPlay to Earn(P2E)などの複数のNFTゲームを遊ぶことができるプラットフォームです。
以下の4つのNFTゲームをローンチする予定となっています。
- RunBlox(Walk to Earn) ※2022年6月パブリックベータ版ローンチ済
- RogueBlox(ターン制カードゲーム)
- ActionBlox(MMORPG)
- Landblox(農場)
すでにローンチ済みであるRunBloxは、歩いて稼ぐ(Walk to Earn)ことができるゲームで、Stepnと似た内容のゲームです。
遊び方は、①アプリをダウンロードし、②靴NFTをAVAXで購入し、③歩くだけです。
正直、ほとんど稼げませんし、原資回収も難しいですが、1足8,000円程度(2022/9/5時点)で購入できるため、歩く習慣を身につけたい方にはおすすめのゲームです。
RogueBloxに関しては、2022年中にパブリックローンチされる予定で、他の2つのゲームは、2023年以降にローンチが予定されています。
いずれのゲームも日本人の参加者が多いため、日本語で情報を容易に集めることができ、参入ハードルは比較的低いです。
Move to Earn(M2E)やPlay to Earn(P2E)を一度体験してみたいという方は、OPENBLOXをおすすめします。
あなたにとって、新しい世界を提供してくれることでしょう。
Avalancheの将来性
Avalancheは、「高度な分散性」と「スケーラビリティ」を両立し、「高速で低コストなトランザクション処理」を安定的に実現していることに加え、「EVM互換性」も有しています。
そのため、Avalancheの正式ローンチ以降、ガス代高騰やトランザクションの遅延で苦しむイーサリアム上にあるdDappが、続々とAvalanche上に移植されました。
その結果、2021年にTVLが大きく伸長し、暗号資産ブームにも乗って「AVAXトークン($AVAX)」の価格が暴騰するという現象が起きました。
現時点(2022年9月)のAVAXトークンの価格は、そのときの最高値から7分の1程度まで暴落し、TVLも当時の7分の1程度まで落ちていますが、開発は今も継続しており、新機能や新しいdAppsは続々とローンチされています。
また、Avalancheブロックチェーンは現在まで、大きなトラブルもなく、安定的に稼働し続けており、開発スピードも早いです。
今後、Avalancheのブロックチェーン上において、一般企業や行政の参加が促進され、一般層が参入してくれば、Avalancheの価値は高まり、TVLも大きく増加することが予想されます。
そうなれば、再び上場来高値を更新する日が訪れるかもしれません。
将来がとても楽しみですね。
AVAXのステーキング報酬を獲得する方法
AVAXのステーキング報酬は、AVAXトークン($AVAX)を特定のバリデータにデリゲート(委任)することで獲得することができます。
ここでは、Avalanche WalletにおいてAVAXトークン($AVAX)をデリゲート(委任)する方法をご紹介します。
AVAXトークン($AVAX)のデリゲートは、以下の手順で行います。
- 「Avalanche Wallet」を作成
- 「Avalanche Wallet」のC-Chainに$AVAXを送金する
- 「Cross Chain」機能を用いて、$AVAXを「C-Chain」→「P-Chain」へ移動する
- 「Earn」機能を用いて、$AVAXを「Delegate(委任)」する
- 「Delegate」が承認されたら、推定報酬を確認する
それぞれ順に解説していきます。
step
1Avalanche Walletを作成
まず、Avalanche Wallet公式サイトにアクセスし、「CREATE NEW WALLET」ボタンを押します。
次に、「GENERATE KEY PHRASE」ボタンを押し、キーフレーズ(KEY PHRASE)を生成します。
表示された24文字のキーフレーズはメモをして、大切に保管してください。
確認事項にチェックを入れ、「ACCESS WALLET」ボタンを押します。
最後に、キーフレーズをいくつか入力するよう求められるので、入力しましょう。
入力したら、「VERIFY」ボタンを押します。
これでAvalanche Walletの作成は完了です。
「ACCESS WALLET」ボタンをクリックして、トップページを開いてみましょう。
step
2Avalanche WalletのC-Chainに$AVAXを送金する
バイナンスなどの暗号資産取引所からAvalanche Walletの「C-Chainアドレス」へ$AVAXを送金します。
もちろん、METAMASKなどのウォレットからも「C-Chainアドレス」へ$AVAXを送金することができます。
送金先「C-Chainアドレス」は、以下の図の場所に表示されていますので、このアドレスに送金しましょう。
step
3「Cross Chain」機能を用いて、$AVAXを「C-Chain」から「P-Chain」へ移動する
Avalanche Walletでステーキングするためには、$AVAXを「C-Chain」から「P-Chain」へ移動させる必要があります。
具体的には、以下の図のようにサイドメニューの「Cross Chain」をクリックし、「Source Chain」→『C-Chain』、「Destination Chain」→『P-Chain』、「Transfer Amount」→『25AVAX』をそれぞれ入力します。
最後に、「CONFIRM」ボタンを押して完了です。
これで、C-Chainの$AVAXが、P-Chainに移動されます。
step
4「Earn」機能を用いて、$AVAXを「Delegate(委任)」する
まず、サイドメニューの「Earn」をクリックし、「ADD DELEGATOR」ボタンを押します。
次に、デリゲート(委任)する「バリデータ」を選択し、「Select」ボタンを押します。
そして、「Staking End Date」に『デリゲートする期間』、「Stake Amount」に『デリゲートするAVAXの数量(25AVAX以上必要)』を入力し、「CONFIRM」ボタンを押します。
最後に、内容に間違いがないかを確認し、「SUBMIT」ボタンを押して完了です。
step
5「Delegate」が承認されたら、推定報酬を確認する
サイドメニューの「Earn」を押し、『Estimated Rewards』の下にある「View Rewards」ボタンを押すことで、獲得できる推定報酬を確認することができます。
「Potential Reward」に獲得できるであろう$AVAXが表示されているのが確認できます。
現時点(2022月9月8日時点)で、だいたい年平均利回り(APR)は「6.47%」程度ですね。
まとめ
ここまで、アバランチ(Avalanche)の特徴や将来性、AVAXのデリゲートや代表的なdApps(分散型アプリ)について解説してきました。
最後に、「アバランチ(Avalanche)とは?」についてまとめておきます。
「アバランチ(Avalanche)とは?」
- 2020年9月にローンチされたブロックチェーン・プラットフォーム
- ネイティブトークンは「AVAX」
- 高度な分散性とスケーラビリティを両立させている
- 低コストで高速処理を実現
- EVM互換性を持つ
- イーサリアム上に展開されるdApps(分散型アプリ)そのままAvalanche上に移植可能
- サブネットによる相互運用性を持つ
- 用途別に3つのチェーンが存在(X-Chain、C-Chain、P-Chain)
- コンセンサスアルゴリズムはPOS(プルーフオブステーク)
- コンセンサスエンジンは「Avalanche Consensus」
- AVAXの供給量は将来的に減少
- AVAXをデリゲートすることでステーキング報酬を獲得可能
本記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。